書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

成らせない連合

だいぶ前に書いて放っておいたのを、このままでは出すタイミングが無くなりそうなので、公開しておく。1年前の看寿賞のときの話だ。 「成らせない連合」の括りでいえば馬屋原作の先行作で歴史的な意義も大ですが、やはり仕上がりかなと思います。taskを成立…

幻の看寿賞のまぼろし

41角成、同飛、33銀成、同桂、29香、27桂、同香、14玉、 26桂、23玉、22飛、同玉、34桂、32玉、22香成、 まで15手詰 えび研で鈴川さんにこの作品を見せられたとき、これは看寿賞だと思った。おそらくその場に居合わせた人全員が同じ感想を抱いていたと思う。…

詰将棋は電気羊がどうたらこうたら

1月号でeurekaの作品を5題並べたデパート担当としてあらかじめ宣言しておくと、あれはただの悪ふざけで特に深い意味は無い。 詰将棋パラダイスはそういった悪ふざけに寛容な雑誌であると思っているし、実際に原稿を送ったときも編集部から難色を示されていな…

図巧を読み解く 第四番

35金、同金、46桂打、44玉、35角、同玉 ここまでは序。 ここから24角!と初形にいた角を再び打つのが筋の一手。34金があるので同香とは取れないが、残念ながらいまは同飛で後続手段が無い。そこで遠回りする。 17角 これも取ると34金があるので取れない。や…

図巧を読み解く 第三番

図巧を並べたのは詰将棋を始めた初期の初期で、当時はわけもわからず見ていた。いま改めて鑑賞してみようと思った。 第三番から始めたのは一番と二番が有名すぎるからだ。第三番は現代的に言えば広義の打診、不成強制といったところか。 77銀、95玉、96金、9…

森田手筋回避の移動合

森田手筋とは、合駒を発生させたあとに、その王手駒を消せば、合駒が自由に動けるようになって、それが取歩駒に使えるという手筋だ。 そこで攻方が王手駒を消しにかかるのと同じように、対抗して受方も合駒を消しにかかれば、森田手筋を回避することができる…

取らせ合駒に見えてきた

今年の全国大会には斎藤仁士さんが参加されていたらしい。 斎藤仁士といえば史上最高の香先香歩が有名だが 冬眠中?: 借り猫かも 1976年2月 斎藤仁士氏作 氏の作品を見返していて気になったのはこの作品だ。 打歩詰大賞: 借り猫かも 1995年9月 斎藤仁士氏作 …

2016年詰将棋全国大会参加記(3)

二次会がお開きになったところで、もう片方のグループに合流しようと思った。なにせ向こうには宿をとっていない久保さんや鈴川さん、廣瀬さんがいるので、どうせ朝まで飲むに決まっているのだ。 今年の全国大会には地元の大学生である長谷川さんと藤井さんが…

2016年詰将棋全国大会参加記(2)

握り詰めに詰め上がり「⊥」こんな形があったので、筒井さんに「ちんこ詰めに投票したんですか?」と聞いたら、案の定その理由で投票しようかと思っていたようだった。(結局投票はしてないらしいけど) 参加者コメントのときに女流棋士の山根ことみさんが「…

2016年詰将棋全国大会参加記

おぼつかない操作の柿木将棋で作意をなぞるだけの解説。もし自分が2年後の東京大会で幹事をやることになったら、真っ先にあのコーナーから改善します。 握り詰紹介は良い企画だったけど、作品に恵まれなかったのが残念。駒種が悪かったかな。久保さんとは「…

迷宮の王にお言葉ですが(2)

「大崎くんが大橋さんに聞きたいことがあるらしいよ」と角さんが言って大橋さんと語る場が開かれた。そこで聞いた話。 kakikake.hateblo.jp 大橋健司氏作 平成3年度看寿賞中編賞「迷宮の王」 まず聞きたかったのは、初手が必要なのかということ。 その後の手…

詰将棋解答選手権2016参加記

半期賞予想をしてる途中で早くも詰パラ4月号が届き、結果を知ってしまった。 大方予想通りだったけど、唯一外れたのは自作が半期賞じゃなかったことくらいだ。おかしいな半期賞だと思ったんだけど。 昨日、解答選手権に参加してきた。参加と言っても選手で…

2015年下半期賞予想 高等学校

高校は2.79が期末で2題。 2015年11月 高21 谷口均氏作 48銀、同玉、59角、58玉、68飛、47玉、49飛、同銀不成、 39桂、57玉、46銀、同玉、48飛、37玉、18飛、 まで15手詰 とどめ駒の59角をはじめに打つあたり丁寧な逆算。 2015年11月 高25 有吉弘敏氏作 45角…

2015年下半期賞予想 中学校

2015年7月 中21 千葉豊幸氏作 23角、同龍、57桂、46玉、47銀、同と、24角、同龍、 58桂、同と、37飛成、 まで11手詰 この作品が前期の最高点2.85。 自分も結果稿を見た瞬間に面白いと思ったので、半期賞と予想する。 遠くから打てる角を、あえて一路近づけた…

2015年下半期賞予想 小学校

前期の小学校で2.7を超えたのは5手詰の作品2つだけ。 2015年9月 小15 鈴川優希氏作 34馬、43飛、73桂成、同飛、61馬、 まで5手詰 2015年9月 小14 石川英樹氏作 55香、62玉、66香、同馬、26馬、 まで5手詰 鈴川作が2.74で、石川作が2.73。 奇しくもこの2作は3…

テーマを浮かび上がらせよう(2)

kakikake.hateblo.jp @sasikake それから、距離も重要な要素かと思います。例えば一号局では18の他に16、17の2箇所の選択肢があり、3つからあえてこの位置を選ぶ構成になっています。中学のはもっと多い選択肢からあえて44地点を。この意味で移動合にしたの…

テーマを浮かび上がらせよう

大崎さんのブログを読んで。「壁駒発生」や「取らせ合」のテーマが浮かび上がるよう、若島さんはどう表現したかを考えてみて欲しい。— 相馬慎一 (@torus1968) February 10, 2016 考えてみよう。当たり前だが以下に記することは個人の見解であり、絶対的正解…

森田にするつもりじゃなかった

普通は初手54馬。45桂合、55香、76銀で打歩詰になる。 そこでひねって初手63馬。同様に45桂合なら54香!と馬筋を遮断するのが、いわゆるブルータス手筋。 76銀と飛車を取られたところで、37歩が打てるようになっている。以下は同桂、25龍までの詰み。 45桂合…

私の創作法(3)

2015年1月 中5 若島正氏作 12馬、24玉、53と、44馬、同飛、同龍、35角、同玉、 36歩、24玉、23馬、 まで11手詰 4手目取れる飛車を取らずに、44馬!と移動合するのが主眼で、玉方自ら44の逃げ場を塞いで打歩詰に持ち込んでいる。 解説には「中合」と書かれて…

位置エネルギーは落ちてくる(4)

のんびり会の忘年会で糟谷さんに教えてもらった間接打診の先行作は、実はウェブでも公開されている作品で、自分もおそらく15年前くらいに見ていたはずのものだった。 (だけど間接打診からこの作品は思い出せなかった) 44角じゃダメなんだ 発表年不明 青…

位置エネルギーは落ちてくる(3)

1984年8月 岡本眞一郎氏作 修正図 45と、56玉、46と、同玉、43桂成、64歩、同角不成、55歩、 同角、35玉、46銀、36玉、38飛、37歩、同飛、26玉、 44角、16玉、36飛、同角、17歩、25玉、14銀不成、同玉、 13と、25玉、26歩、34玉、35歩、43玉、53角成、 まで3…

位置エネルギーは落ちてくる(2)

2011年1月 糟谷祐介氏作 85金、同と、51角不成、62と、85銀、75玉、74飛、同桂、 42角不成、53と、76銀引、66玉、33角不成、44と、同角成、55歩、 同馬、57玉、49桂、同と、46馬、66玉、67銀、75玉、 76歩、84玉、85歩、93玉、94歩、同玉、95馬、同玉、 73馬…

位置エネルギーは落ちてくる

間接打診中合の歴史をのんびり会とえび研で学んだので、ここにまとめる。 そのためにまず既に作者自ら解説している作品を、それでも解説するところから始めよう。 2013年11月 久保紀貴氏作「位置エネルギー」看寿賞中編賞 47銀、同玉、65馬、36玉、72角不成…

為せば成る短編コンクール

のんびり会で久保さんに面白いことを教えてもらった。 深和さんと香の成らせが衝突することは想定内だったというのだ。(ほぼ同一図で衝突するとは、さすがに思ってなかったらしいけど) 久保さんによれば深和さんは過去にも短コンで成らせをテーマにした作…

オーロラに先駆けて

四香連合の「オーロラ」(1973年)で有名な上田さんに「Aurora II」という四銀連合の作品がある。ただし二玉詰という変則ルールだ。 1989年 上田吉一氏作「Aurora II」 23桂、同馬、22と、同馬、23桂、同馬、77角、66銀、 同角、55銀、同角、44銀、同角、33銀…

そういえば半期賞作家だった

詰パラ新年号からデパートの担当になった。 デパートは馬屋原剛さんと大崎壮太郎さんのお二人が共同就任。いずれも半期賞の受賞経験がある若手実力派作家が顔を揃えました。 と、編集室に書いてある通り、実は私も半期賞作家だったのだ。 冬眠前に詰パラを処…

いまさら今月の詰パラの感想

11月12月と転職で慌ただしく過ごしていたせいで、詰将棋からも離れてしまっていたけれど、ようやく落ち着いた日々を取り戻してきました。 久々にブログを書いたせいで文体が敬体です。 今月の詰パラはなんといっても短コンの衝突でしょうか。 一ヶ月も前の話…

二歩のある風景

将棋連盟のサイトには二歩についてこう書かれている。 同じ筋に歩がある時に、もう一枚歩を打つことはできません。 下の図の左側のように同じ筋に歩が二枚ある状態を「二歩(にふ)」といいます。 将棋について-本将棋[5.反則]:日本将棋連盟 同じ筋に歩が二…

将棋世界11月号付録詰め手筋サプリII No.26

えび研で将棋世界11月号付録の詰将棋が妙に解きづらいと話題になっていた。 書店にはもう12月号が並んでいるので図面を載せてしまおう。 2015年10月 児玉孝一氏作 答えを明かせばなんてことのない9手詰だが、詰将棋慣れしている人ほど解きにくいかもしれない…

私の創作法(2)

冬眠する前、盤面5x5以内の最長手数記録作は103手だった。 http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/challenge/c1074.htm 塩野入清一氏作 コンパクトな初形から歩香の持駒変換を4回繰り返す好作だが、これが5x5の最長と言われるとしっくりこない。 盤面にはまだ…