三輪さんもブログで半期賞を選んでいたので、他人のふんどしでブログを書くことにしたのである。
三輪さんが選んだのは小25。
2015年5月 小25 鈴川優希氏作
92角成、27玉、47龍、同と、81馬、同馬、28金、 まで7手詰
最終手28金が初手ではできなくなっている26香や、2手目の変化で47への利きを外す48と。 構図として隙が無く、何も足せない何も引けない状態になっている。 三輪さんの言う通り作家的観点では完璧な出来栄えだ。 未来の作家はもうこのテーマではつくれない。
いわゆる期末のトリだが点数は2.62とやや低め。 洗練されすぎた結果、素材の味だけになってしまった、その味気なさが響いたのではないかと思う。 しかし期末月の最高点。半期賞は十分にありえる。
私が選んだのは小20。
2015年4月 小20 嶋村拓夢氏作
77飛、同桂不成、89角、同桂成、78銀、同玉、76龍、 まで7手詰
45と、64とという余詰防ぎに配置の甘さを感じるし、初手が打ち捨てでなくていいのかという疑問もある。
例えば(安直だけど)97とを置けば初手は77飛打になるし、74飛がいなくなれば初手56角、76玉も紛れとして成立させられる可能性がある。
構図もなぜか左に寄っているので個人的には右にひとつずらしたい。 (作者は桂馬の跳ぶルートを指し将棋に揃えたかったのかも)
自分で半期賞と予想しておきながらなぜか批判的なことを書いてしまったが、桂の二段跳ねという狙いは明確に描けているし、収束も決まっていると思う。
初入選で2.73。上半期の小学校最高点なのだから、半期賞候補筆頭であることに間違いはないだろう。
ただし2.73の作品はもう1作ある。
2015年1月 小5 三輪勝昭氏作
45龍、35桂、34龍、16玉、25龍、同玉、34馬、 まで7手詰
大駒3枚残ることや、桂を品切れにする四桂配置、22香。 この作品にも不満はある。あるが作意(作者の意図)はひしひしと伝わってくる。 いま見るとこれが半期賞のような気もしてきたが、うーん、でもやっぱり強引な四桂配置が気になってしまう。 せめて14桂、22香は14歩、32桂じゃだめだったのかな。
というわけで私の予想は小20である。