書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

シュレディンガーの合

makugaeru.blog46.fc2.com

この作品の本手順は何か、ということだ。

(A) 15龍、14金合、同龍、同玉、24金まで。
(B) 15龍、14金合、同龍、22玉、12龍、33玉、32龍まで飛金余り。
(D) 15龍、22玉、12龍、33玉、32龍まで飛余り。

まずAとDに注目する。これは玉方によって5手駒余りと、5手駒余らずが選べる状況である。 この状況下でDを選ぶ理由が無い。したがってDは無い。

次にBとDに注目する。BはDに対して2手長1駒余りである。 取った合駒がそのまま残る2手長1駒余りは無駄合とみなされる(要出典)ので、Bの14金合は無駄合と言ってよいだろう。 したがってBはDにも劣る変化であり、Aが本手順、すなわち作意である。

ここまでが私の考え方だが

「だがちょっと待ってほしい。 Bでは14金合が無駄合とされたにも関わらず、作意のAにも14金合は含まれている。 これは矛盾ではないのか。 14金合が無駄合なら、ひるがえって2手目は22玉が正しい応手ではないか」

と、こうくるわけである。

なるほど一理ある。

しかしAではその合駒を取って24に打っている。14金合が無駄合なら、24に打った駒はなんだろう。

その合駒が無駄合かどうかは、打った瞬間には決まらず、後の手順によって決定されるというのが自分の考えである。

以下余談だが、最終手余詰が許容されていることを悪用して、無駄合をぶっ放す構想が昔議論になっていたことを思い出した。

概念図はこんな感じ。

25とに対して、23玉は22と、33玉、32飛成まで5手駒余り。 ところが25とに、15金!とすれば、同香、23玉、24金までで最終手余詰ありの5手駒余らず作意が完成するのだ。

合駒は銀でも香でもよいが、角や桂の場合は同香、23玉に駒が打てず、22と以下で詰ませるしかないので無駄合になる。

わけがわからない。

【追記】最後の図の34歩は不要でした。角合のときに34角から打っても詰むのが話をややこしくさせそうなので、それの防ぎで置いてみたら単に14とで詰んでました。