書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

2016年詰将棋全国大会参加記(2)

握り詰めに詰め上がり「⊥」こんな形があったので、筒井さんに「ちんこ詰めに投票したんですか?」と聞いたら、案の定その理由で投票しようかと思っていたようだった。(結局投票はしてないらしいけど) 参加者コメントのときに女流棋士の山根ことみさんが「…

2016年詰将棋全国大会参加記

おぼつかない操作の柿木将棋で作意をなぞるだけの解説。もし自分が2年後の東京大会で幹事をやることになったら、真っ先にあのコーナーから改善します。 握り詰紹介は良い企画だったけど、作品に恵まれなかったのが残念。駒種が悪かったかな。久保さんとは「…

迷宮の王にお言葉ですが(2)

「大崎くんが大橋さんに聞きたいことがあるらしいよ」と角さんが言って大橋さんと語る場が開かれた。そこで聞いた話。 kakikake.hateblo.jp 大橋健司氏作 平成3年度看寿賞中編賞「迷宮の王」 まず聞きたかったのは、初手が必要なのかということ。 その後の手…

詰将棋解答選手権2016参加記

半期賞予想をしてる途中で早くも詰パラ4月号が届き、結果を知ってしまった。 大方予想通りだったけど、唯一外れたのは自作が半期賞じゃなかったことくらいだ。おかしいな半期賞だと思ったんだけど。 昨日、解答選手権に参加してきた。参加と言っても選手で…

2015年下半期賞予想 高等学校

高校は2.79が期末で2題。 2015年11月 高21 谷口均氏作 48銀、同玉、59角、58玉、68飛、47玉、49飛、同銀不成、 39桂、57玉、46銀、同玉、48飛、37玉、18飛、 まで15手詰 とどめ駒の59角をはじめに打つあたり丁寧な逆算。 2015年11月 高25 有吉弘敏氏作 45角…

2015年下半期賞予想 中学校

2015年7月 中21 千葉豊幸氏作 23角、同龍、57桂、46玉、47銀、同と、24角、同龍、 58桂、同と、37飛成、 まで11手詰 この作品が前期の最高点2.85。 自分も結果稿を見た瞬間に面白いと思ったので、半期賞と予想する。 遠くから打てる角を、あえて一路近づけた…

2015年下半期賞予想 小学校

前期の小学校で2.7を超えたのは5手詰の作品2つだけ。 2015年9月 小15 鈴川優希氏作 34馬、43飛、73桂成、同飛、61馬、 まで5手詰 2015年9月 小14 石川英樹氏作 55香、62玉、66香、同馬、26馬、 まで5手詰 鈴川作が2.74で、石川作が2.73。 奇しくもこの2作は3…

テーマを浮かび上がらせよう(2)

kakikake.hateblo.jp @sasikake それから、距離も重要な要素かと思います。例えば一号局では18の他に16、17の2箇所の選択肢があり、3つからあえてこの位置を選ぶ構成になっています。中学のはもっと多い選択肢からあえて44地点を。この意味で移動合にしたの…

テーマを浮かび上がらせよう

大崎さんのブログを読んで。「壁駒発生」や「取らせ合」のテーマが浮かび上がるよう、若島さんはどう表現したかを考えてみて欲しい。— 相馬慎一 (@torus1968) February 10, 2016 考えてみよう。当たり前だが以下に記することは個人の見解であり、絶対的正解…

森田にするつもりじゃなかった

普通は初手54馬。45桂合、55香、76銀で打歩詰になる。 そこでひねって初手63馬。同様に45桂合なら54香!と馬筋を遮断するのが、いわゆるブルータス手筋。 76銀と飛車を取られたところで、37歩が打てるようになっている。以下は同桂、25龍までの詰み。 45桂合…

私の創作法(3)

2015年1月 中5 若島正氏作 12馬、24玉、53と、44馬、同飛、同龍、35角、同玉、 36歩、24玉、23馬、 まで11手詰 4手目取れる飛車を取らずに、44馬!と移動合するのが主眼で、玉方自ら44の逃げ場を塞いで打歩詰に持ち込んでいる。 解説には「中合」と書かれて…

位置エネルギーは落ちてくる(4)

のんびり会の忘年会で糟谷さんに教えてもらった間接打診の先行作は、実はウェブでも公開されている作品で、自分もおそらく15年前くらいに見ていたはずのものだった。 (だけど間接打診からこの作品は思い出せなかった) 44角じゃダメなんだ 発表年不明 青…

位置エネルギーは落ちてくる(3)

1984年8月 岡本眞一郎氏作 修正図 45と、56玉、46と、同玉、43桂成、64歩、同角不成、55歩、 同角、35玉、46銀、36玉、38飛、37歩、同飛、26玉、 44角、16玉、36飛、同角、17歩、25玉、14銀不成、同玉、 13と、25玉、26歩、34玉、35歩、43玉、53角成、 まで3…

位置エネルギーは落ちてくる(2)

2011年1月 糟谷祐介氏作 85金、同と、51角不成、62と、85銀、75玉、74飛、同桂、 42角不成、53と、76銀引、66玉、33角不成、44と、同角成、55歩、 同馬、57玉、49桂、同と、46馬、66玉、67銀、75玉、 76歩、84玉、85歩、93玉、94歩、同玉、95馬、同玉、 73馬…

位置エネルギーは落ちてくる

間接打診中合の歴史をのんびり会とえび研で学んだので、ここにまとめる。 そのためにまず既に作者自ら解説している作品を、それでも解説するところから始めよう。 2013年11月 久保紀貴氏作「位置エネルギー」看寿賞中編賞 47銀、同玉、65馬、36玉、72角不成…

為せば成る短編コンクール

のんびり会で久保さんに面白いことを教えてもらった。 深和さんと香の成らせが衝突することは想定内だったというのだ。(ほぼ同一図で衝突するとは、さすがに思ってなかったらしいけど) 久保さんによれば深和さんは過去にも短コンで成らせをテーマにした作…

オーロラに先駆けて

四香連合の「オーロラ」(1973年)で有名な上田さんに「Aurora II」という四銀連合の作品がある。ただし二玉詰という変則ルールだ。 1989年 上田吉一氏作「Aurora II」 23桂、同馬、22と、同馬、23桂、同馬、77角、66銀、 同角、55銀、同角、44銀、同角、33銀…

そういえば半期賞作家だった

詰パラ新年号からデパートの担当になった。 デパートは馬屋原剛さんと大崎壮太郎さんのお二人が共同就任。いずれも半期賞の受賞経験がある若手実力派作家が顔を揃えました。 と、編集室に書いてある通り、実は私も半期賞作家だったのだ。 冬眠前に詰パラを処…

いまさら今月の詰パラの感想

11月12月と転職で慌ただしく過ごしていたせいで、詰将棋からも離れてしまっていたけれど、ようやく落ち着いた日々を取り戻してきました。 久々にブログを書いたせいで文体が敬体です。 今月の詰パラはなんといっても短コンの衝突でしょうか。 一ヶ月も前の話…

二歩のある風景

将棋連盟のサイトには二歩についてこう書かれている。 同じ筋に歩がある時に、もう一枚歩を打つことはできません。 下の図の左側のように同じ筋に歩が二枚ある状態を「二歩(にふ)」といいます。 将棋について-本将棋[5.反則]:日本将棋連盟 同じ筋に歩が二…

将棋世界11月号付録詰め手筋サプリII No.26

えび研で将棋世界11月号付録の詰将棋が妙に解きづらいと話題になっていた。 書店にはもう12月号が並んでいるので図面を載せてしまおう。 2015年10月 児玉孝一氏作 答えを明かせばなんてことのない9手詰だが、詰将棋慣れしている人ほど解きにくいかもしれない…

私の創作法(2)

冬眠する前、盤面5x5以内の最長手数記録作は103手だった。 http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/challenge/c1074.htm 塩野入清一氏作 コンパクトな初形から歩香の持駒変換を4回繰り返す好作だが、これが5x5の最長と言われるとしっくりこない。 盤面にはまだ…

11月1日の私的三大将棋まつり

今日はいろんなところで将棋まつりが開かれていたので巡ってきた。 ひとつめは筑駒の文化祭。 自分が在籍していた頃は中学将棋同好会しかなかったのだが、その後おそらく1回潰れたあとに再開して、どうやら今では中高で部にまで昇格したらしい。 潰れかけの…

詰パラ11月号の第一印象

2ヶ月前くらいに投稿した作品が高校で出題されていてびっくりした。採用が早い。 (同時に投稿した7手は先月の小学校で出題されていたのでもっと早いんだけど) そのおかげで2015年下半期は毎月どこかのコーナーで自作が出題されていたことになる。 12月号も…

妙手感のある単なる手数延ばし

ツメガエルさんのブログで自作が取り上げられた。 単なる手数伸ばしと思われないための対策(2015年7月短4大崎氏作および2014年12月デパ4相馬氏作) - ツメガエルの詰将棋ブログ 「単なる手数伸ばしだと思われると、妙手感が薄れてしまうので、手数伸ばしと…

詰工房に行ってきました

鉄は熱いうちに打てと言いますが、会合の参加記もすぐに書くべきなのでしょうね。だいぶ忘れてしまいました。 春霞賞候補には自作が初ノミネート。 2015年7月 短4 自作 33角、24歩、同角成、16玉、25馬、同玉、34銀不成、15玉、 16歩、同玉、25銀、同玉、43…

歩武の駒のハート詰

「歩武の駒」って私の詰将棋が載っている漫画だな。— EOG (@EOG10) October 15, 2015 「歩武の駒」というマンガに詰将棋が載っているというので買ってきた。 5巻(2000年6月初版)の45話「ホワイトバレンタイン」。以下、軽くネタバレ。 主人公とヒロインは…

7手短コン傾向と対策(3)

7手コンと言えば、個人的に忘れられない作品がある。 1999年12月 三谷郁夫氏作 短コン1位 67角、34桂左、22桂成、13玉、68角、同龍、93龍、 まで7手詰 私が詰パラを初めて買ったのが1999年。その年末に出題され、たった7手なのにまったく解けなかった作品だ…

7手短コン傾向と対策(2)

kakikake.hateblo.jp 7手コンでは中合を動かせば上位を狙えるというのが前回の結論だが、念のため前々回の7手コンも見ておこう。2009年の短編コンクールだ。 2009年12月 山崎泰史氏作 短コン1位 52馬、55飛、36銀、同玉、25馬、同飛、37角成、 まで7手詰 や…

双玉の正しい使い方なんてのは自分で決めるんだ

えび研の話題からまたひとつ。 私は割りと安易に攻方王を置く作家だ。パラ10月号に載った作品は2作とも双玉だった。 形が綺麗になるなら逆王手が無くても積極的に双玉を視野に入れてつくるのが最近のトレンドではないかと勝手に思っている。 えび研でも馬屋…