書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

打診中合ってなんだっけ

詰工房で次の作品の2手目が打診中合なのかどうか議論になった。

2015年5月 短大 相馬慎一氏作

71角、53角、同角成、46玉、64馬、55歩、同馬、57玉、
46馬、同玉、73角、55角、同角不成、56玉、57歩、同玉、
13角、46歩、同角左、同香、58歩、56玉、76龍、同銀、
66金、同玉、22角成、56玉、55馬、
まで29手で詰

82歩を狙って71角。

82歩を取られると早いので中合をするしかないが、73~46のラインに利かせないと25とからこれまた早い。

ためしに2手目62角合とする。同角生、46玉、24角、35歩、73角生。

不成で活用するのがポイントで、56玉には58龍から55角成を用意しつつ、55歩合は同角生と取れば打歩詰にならない。

そこで当然出てくるのが64歩の打診中合だが、これは同角成、55歩の打歩詰誘致に47歩と打てるので詰んでしまう。

62角合~64歩合は駒を渡しすぎている。そこで戻って2手目に53角合とするのが主眼手。

何かというと、62角合と同様に同角生、46玉、24角、35歩と進んだときに、56玉の変化に備え64角成とするしかなく、そこで打歩詰誘致に55歩と打てば、さっきの局面から歩を1枚節約できている計算だ。

つまり53角合は82歩を取らせないようにしつつ、あとで64で中合をすることなく成を確定させる事前打診中合(間接打診中合)というわけだ。

ただ、ややこしいことに、53角合には一度不成で取ってから64角成とする手も、成で取って64馬とする手もどちらも成立しており、成生非限定で取れる合駒を(間接とはいえ)打診中合と呼ぶことには、いささかの抵抗が個人的にはある。

そこで作者がこの作品の狙いをなんと言っているかというと。

なるほど「打診効果のある事前中合」とはうまい表現だ。

しかしその後がまた難しい。「8手ないし6手の延命効果を持つ擬似「園裡の虎」テーマ」

これを理解するには、まず「園裡の虎」を紐解くしかない。

次回に続く。