大学の半期賞は3作受賞らしい。
大学半期賞3作認められた。これで肩の荷が下りたというもの。
— ランス (@lance_tume) 2015, 7月 6
2015年1月 大2 鈴川優希氏作
47金、同と、96龍、66桂、26飛、55玉、22角成、44歩、 73馬、54玉、32馬、43桂、94龍、64銀、同龍、同香、 43馬、同玉、52銀不成、同玉、63銀、41玉、42銀成、同玉、 34桂、33玉、51馬、34玉、24馬、45玉、57桂、同と、 46飛、55玉、67桂、同と、56飛、45玉、55飛、同玉、 46馬、 まで41手詰
難解作かつあぶり出しという詰パラ解答者に受ける要素を兼ね備えた本作は2.94で1月号掲載にして今期最高点。
鈴川さんといえば逆算がオモテ芸で、彼が煙詰をつくらないのは詰将棋七大不思議のひとつでもあるが、個人的に好きなのはウラ芸の正算構想作である。
2015年4月 大11 鈴川優希氏作
29香、28角、同香、27飛、同香、同玉、26飛、同玉、 29香、28角、同香、27飛、71角、44香、同角成、同歩、 27香、同玉、26飛、同玉、29香、28角、同香、27銀、 35角、同桂、16と、36玉、37歩、同玉、73角、36玉、 46角成、 まで33手詰
角飛連続合を含んだ香角の持駒変換。単純にやると角は2枚しかないので2サイクルで終わるところ、角の遠打から香に戻す手順を挟んで3回繰り返したのが創意。
評点は2.85と低くはないが、大2の2.94がある以上、半期賞も大2であろう。 大2の解説にも「後世に残る「R」の字の決定版」とある。
2015年2月 大6 若島正氏作
54馬、56玉、65馬、同玉、66銀、56玉、35角成、52歩、 同飛不成、53歩、同飛不成、54歩、同飛成、66玉、44馬、76玉、 75と、同玉、76歩、同玉、77歩、75玉、87桂、同香成、 84銀不成、同成桂、同龍、65玉、54龍、75玉、67桂、同香成、 84龍、65玉、66歩、56玉、54龍、47玉、38金、36玉、 45龍、同金、37金、25玉、26金、14玉、15歩、24玉、 34馬、 まで49手詰
7手目35角成と引いたところ。
ここから52歩、同飛生、53歩、同飛生、54歩、同飛生と3連続中合を生で取り続けるのが眼目。解説には「史上初の3段連続打診中合作品」とあるが、いまでは連続打診中合ではないとする見方が大勢を占めていると思われる。評点2.88。詰将棋メモによれば「3連中合を2回連続不成で取るのはこの作しかない」とのこと。
2015年3月 大9 広瀬稔氏作
23と、84銀、同飛、74銀、同飛、64銀、同飛、54銀、 同飛、同桂、13と、同玉、24銀、同香、12角成、14玉、 23銀、同と、同馬、同玉、34銀、32玉、33銀不成、41玉、 51歩成、同玉、73馬、62銀、42銀打、同金、同銀成、同玉、 64馬、53銀、43歩、51玉、52歩、62玉、73金、52玉、 63金、41玉、42歩成、同銀、同馬、同玉、53銀、41玉、 52金、 まで49手詰
史上8作目の四銀連合。 「成らせないための連続合」という意味付けが新手ということらしいが、別ラインからの王手を妨ぐという点で、山田修司氏作「新四桂詰」との違いを見出すのは難しい。
仮に2手目の合駒を離して打つと
13と、同玉に93飛成と1回成れて、その後、43歩、12角成、14玉、15馬、同玉、16香、26玉に96龍がある。ここが生飛では詰まない。
解説には「桂の中合が出来れば96龍と引いた時に桂の利きに合駒を打てば詰みません」とあるが、これは少し語弊があるように思う。
上図で74の駒が桂なら確かに96龍に86歩合があるが、2手目74桂合にはそもそも取って26桂がある。桂が品切れなのは34桂打合(これを中合とは呼ばないはず)の防ぎと思われる。34桂打合は取ると桂で取り返されて26桂が打てない。
それに加えて香合も問題で、2手目74香合や74銀合~83香合、33香合が詰まないので、これも品切れになっている。
銀と桂香は性能が違うので、厳密には品切れにさせなくてもよいはずだが、創作難度が跳ね上がるので合駒制限は仕方のないところだろう。これだけ無理してつくったら半期賞くらいもらわないと割りに合わないのである。評点2.82。
名無し名人賞は大14の修正図。
2015年5月 大14 井上徹也氏作 修正図
23歩成、14玉、13と、同香、47馬、36歩、同馬、23玉、 32飛成、24玉、35龍、23玉、45馬、14玉、34龍、15玉、 16歩、同玉、27馬、15玉、37馬、26歩、35龍、14玉、 47馬、36歩、同馬、23玉、24歩、12玉、45馬、11玉、 31龍、21角、同龍、同玉、32角、11玉、12馬、同玉、 23歩成、11玉、21角成、同玉、32と寄、11玉、22と寄、 まで47手詰
13手目からの16手で原型のまま玉形26歩だけを発生させ、二歩禁を利用して詰め上げる。 角合から大駒が全て消える収束含め、うまく組み立てるものである。
2015年5月 院10 岡村孝雄氏作
他の作品だったらぶっ飛ぶのである。