書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

私の創作法(3)

2015年1月 中5 若島正氏作

12馬、24玉、53と、44馬、同飛、同龍、35角、同玉、
36歩、24玉、23馬、
まで11手詰

4手目取れる飛車を取らずに、44馬!と移動合するのが主眼で、玉方自ら44の逃げ場を塞いで打歩詰に持ち込んでいる。

解説には「中合」と書かれていたが、私見では44には94龍のヒモが間接的についており、これは中合にはあたらないと思う。 そこで、44馬は派手な手だが、打合でコンパクトに同じことをやってみようと思い立った。

とりあえずの原理図がこれ。32馬に同金では15歩から詰むので、23合として逃れる。 そしてこの形で、15歩の打歩詰がテーマで、23合ときたら、桂合から森田手筋に持ち込むのはマナーのようなものだろう。 桂合からどうにかして馬を捨てて15歩を打つ収束にしたい。

それには配置がさすがに窮屈だし一間馬への合駒では妙手感も乏しいので、合駒発生時の馬と玉をひとつ離すことにした。 そうして最初に得た図が次。

11桂成、32桂、15歩、13玉、31馬、同飛、14香、23玉、
24歩、同桂、22角成、同玉、12成桂、23玉、13香成、
まで15手詰

馬をどこに置いても初手香打ちがあるので、やむなく初手が香取りになっている。 いかにも妥協案だが、それは実戦型と言い張るつもりで、それより気に食わないのは31馬の駒取りだ。 3手目15歩と1歩損しながら歩香重ね打ちに出たのに、31で歩を拾うんじゃつまらない。 2手目の変化で馬を取る駒と、32桂合を同馬と取ったときに取り返す駒が違うのもテーマから乖離している気がした。

2015年8月 高8 自作

15歩、同玉、12桂成、33桂、16歩、14玉、41馬、同龍、
15香、24玉、25歩、同桂、23角成、同玉、13成桂、24玉、
14成桂、
まで17手詰

1段上げて、1枚増やして、2手逆算した(のでさらに1枚増えた)。主張は左右対称だが、おそらく誰にも気付かれていない。 8手目32歩突きや32桂合が変同なのは解答者的にはすっきりしないところだろう。 取れる馬は取ってよと思うけど、馬を取る取らないがテーマなので、勘ぐりたくなる気持ちも分かる。

発表時、テーマの33桂合より、その後の打開の方に評が集中して、森田手筋の作品と思われてしまった。収束に森田手筋を入れると大駒捨てが入るので、つい使ってしまうのだけど、それが逆に悪目立ちするようだ。

森田手筋は用法用量を守って正しく使わなければならない。次回に続く。