41角成、同飛、33銀成、同桂、29香、27桂、同香、14玉、 26桂、23玉、22飛、同玉、34桂、32玉、22香成、 まで15手詰
えび研で鈴川さんにこの作品を見せられたとき、これは看寿賞だと思った。おそらくその場に居合わせた人全員が同じ感想を抱いていたと思う。いずれ鈴川さんはこの作品でA級順位戦を優勝し、その年の看寿賞短編賞を取る。そう思っていた。
ところが発表された図は違うものだった。
2016年8月 短10 鈴川優希氏作
61角、52金打、53金、32玉、42金、同金、22金、同玉、 14桂、23玉、29香、27桂、同香、14玉、26桂、23玉、 22飛、同玉、34桂、32玉、22香成、41玉、42桂成、同玉、 43角成、同玉、53金、 まで27手詰
去年の看寿賞はまだ決まっていないので、まだどうなるか分からないけど、個人的な意見を述べさせてもらえれば、これは看寿賞ではない。元の図も鈴川さんがブログのコメント欄で発表しているので、そこから看寿賞に選ばれる可能性もゼロではないが、しかし現実的に考えれば、この「推敲」によって、鈴川さんは看寿賞をひとつ取り逃したと言ってしまってよいだろう。
ところが、である。
先日、馬屋原さんにある作品を見せてもらった。
2002年4月 高17 塚本惠一氏作
23角成、同玉、29香、27桂、同香、14玉、26桂、13玉、 14飛、23玉、22銀成、同玉、34桂、32玉、22香成、 まで15手詰
もちろん、詰め上がりに飛車が残らない鈴川図が優るが、この作品があってはどのみち(先行例に厳しい)看寿賞は受賞できなかっただろう。 変に賞を狙わず、自分が納得いくまで推敲した図で発表した鈴川さんの行動は正しかったのかもしれない。