シナトラくん発案のイメージと読みの詰棋観をやってみました。
この企画を拡張した、「イメージと読みの詰棋観」、詰パラでやりませんか? https://t.co/7IIHcFNMjO
— シナトラ (@Sinatra57496354) 2024年9月23日
回答に協力していただいたのは柳原裕司さん、久保紀貴さん、藤原俊雅さん、馬屋原剛さん、井上徹也さん(回答順)の5名です。
柳原さんだけ回答をテキストで貰ったので、口頭で答えた他の人たちと違って常体かつ短文ですが、ひとり不機嫌なわけではありません。あしからず。
【問】この3手詰を逆算するなら、どういった方針で考えますか。

柳原 初手14に駒を打ち(桂か香)数手後、直接または間接で邪魔駒消去。
久保 パッと見は36桂打つか44角成るかだけど、36桂で作るのは作風じゃない気がします。44角成も茫洋として何をすればいいか分からないから選ばないですね。44角成はその先に良い手を入れようっていう逆算なんで、もし作ったとしても完成形では収束変えてると思います。犠牲を払わずにこの収束がそのまま使えたらいいけど、そこはこだわらないですね。
この素材で作る以上は41角を打って24の利きを外して14角と戻すのがいいのかな。21に受方の飛車を置いて41角、25玉、22飛、同銀とかができたら気持ちよさそうですけど、ちょっと無茶苦茶かも。

入選3回目の自作が同じ収束なんですよ。当時は捨て駒が好きだったから捨て駒中心の手順になってます。今もそういう作り方をしないわけではないけど、発表水準には至らないですね。
2007年8月 久保紀貴

藤原 意味のある逆算をしようと思ったら、思いつくのはと金の翻弄とかなんですけど、最終手が同とに限定できないからあんまり意味ないかな。持駒を合駒で出して貰うみたいな逆算はしようと思わないんですよね。そういう作品は深みがあって紛れがあって複雑だと思うけど、自分は短編作家なんで気持ちは切れ味系なんですよ。合駒取るのも駒取りですから。
44馬とか36桂とかの逆算も舞台作りの手だから、短編的じゃないんですよね。捨て駒ならそれ単体でいい手だけど、捨て駒じゃない手を入れるなら先を見ないといけないんですよ。44馬、23玉、22馬、34玉の往復とか、15桂、同ととか、意味のある手順が先に見えてないと選べない。
14角は36が浮いてるところに捨てるから気持ちいいんですけど、36を浮かしたままだと逆算しづらいんで、36を塞ぐという手もありますか。14角は銀にできるけど、銀だと捨て駒の強度が低いんで飛車ですか。そうすると方向性ははっきりしてきて、限定打で12飛、25玉、34銀、同銀、14飛成みたいな感じですね。41角の限定打もできると思うけど、それだと14角が成生非限定になるんですよ。7手9手で作るときの成生非限定は罪が重いので飛車成にしたいですね。

馬屋原 逆算するときは極力駒は増やさず、駒取りも無しで、どこまでいけるか試します。駒数は基本的に盤上だけで考えてますね。私は逆算すると持駒が大量になる傾向があるんですよ。いのてつさんには持駒も含めた合計で考えた方がいいんじゃないかって言われたことがあります。いのてつさんの駒数の少なさは別格な気もしますね。
44馬みたいな素朴な王手も嫌いじゃないんですよ。包囲してる駒を動かすと全然違う展開になるので。中編や煙詰の感覚かもしれないです。

王様だけが動いてると単調なイメージがあるので可能なら受方の駒を移動させたいですね。今はと金しかいないので、と金の移動が難しいとなると、もう1個守備駒を置いて、それを動かすことになります。詰め上がりに関係ない駒を増やすときは受方の駒を増やすんですよ。歩や桂であっても攻方の駒は増やさないというマイルールがあって。逆算を続けるためには大駒で包囲網を築いておく方がやりやすいんですけど、それが詰め上がりに残っちゃったらしょうがないんで、龍で金合を出して交換する手はよく使ってます。

井上 詰将棋って自分の力だけでは作ってない気がしてて、素材が持ってる力と自分の力があわさったときに、良い詰将棋ができる感覚があります。この素材だと完全に自分の力だけで作らないといけないから、ここから逆算しようとは思わないです。
自分は正算で作ることの方が多いかもしれないですね。連続合が出る素材を、そのうち収束も思いつくでしょうみたいな感じでストックしてます。正算で収束をつけたら、構図が完全になるまで逆算を試みます。盤面が少なければ簡素ですよ教があるじゃないですか。盤面が少なければ持駒いくらあってもいい教。それに異を唱えたくて、自分は持駒含めて使用駒だろう教です。持駒をばーっと使っていくより、合駒で入手しながら進めていくのが好きなんですよ。