書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

使用駒10枚以内の看寿賞短編賞

10年前に片山作が看寿賞を取ったとき、新規性や難解さを追い求めていない好形好手順の短編でも完成度の高さで看寿賞を取れるのかと、いい意味で驚いた。

たしかに、好形好手順には時を超える永遠の輝きがあるようにも思う。その系譜に自分の作品が加われるなら嬉しいことだ。

過去の看寿賞短編賞受賞作の中から使用駒10枚以下の作品を集めてみた。駒の数え方には盤上だけを数える馬屋原方式ではなく、盤上と攻方の持駒の合計を数える井上式を採用している。

昭和38年度看寿賞 柏川悦夫

昭和55年度看寿賞 橋本樹

昭和57年度看寿賞(奨励賞) 有吉弘敏

昭和58年度看寿浦野真彦

平成元年度看寿賞 行き詰まり 「新たなる殺意」

平成3年度看寿賞(奨励賞) 水上仁

平成21年度看寿賞 谷口均

平成26年看寿賞 真島隆志

平成27年看寿賞 片山知

令和6年度看寿賞 大崎壮太郎

イメージと読みの詰棋観 #3

【問】大駒を2枚捨てる5手詰を作るとしたら、どういう作品にしますか。

柳原 飛の限定打×2。自作で言えばこれとかです。(1985年3月詰パラ

久保 だいぶ縛りがきついですね。2枚大駒捨てるならでかい動きにするのかな。(受方11玉、19飛、31歩、攻方23銀、88飛、97角を置いて3分考慮)31歩がなくても飛成は香合で逃れてるのかな。完成!

31歩があるのとないのでは大違いで、これは運がよかったですね。気になる配置は最後に精査するのが大事です。

藤原 捨てるっていうのは相手に取られないとだめですか?相手に取られると面白くなりにくいんですよ。初手の意味付けが深いならいいんですけど、ただ捨てて取って捨てて取ってだと深みに乏しくなっちゃう気がします。攻方の妙手は捨て駒だけど、受方の妙手はそれを取ることではないので。

手順の雰囲気でいうと57金合だと47龍、同金のあと駒余りになるので、57馬、47龍、同馬で逆王手して38に何かを打って詰み。2手目は遠くから馬が来るより、近くにいて取れる飛を取らない方がいいですね。

馬屋原 激辛5手詰で見た作品が浮かんじゃうな。それを避けたら、じゃあこれで。これも前例あるだろうけど。

 私は課題があると、その条件を満たす中で簡単に作れるものを作るんですよ。だからもっと難しい課題の方が得意です。表現を求められるのはちょっと。自分で作った課題だと、直接王手の歩不成を含む単玉の5手詰を最小駒数で作るというのがあります。私は11枚で作ったんですけど、弘中さんが8枚で作ってて弘中さんやばいなと思いました。

 他の人が「理論的に無理だろう」と言ったテーマを作るのも好きです。

井上 何も思い浮かばないですね。頑張れば作れるかもしれないけど、作風的に厳しい気がします。5手詰ってのがなあ……(5分雑談)いま思い浮かんだ構図はこれです。

作意は53角成、同玉、52角成、X、54龍まで。紛れで43角成、同玉、53角成はどう逃れるのか。53角成、65玉の変化で34角を43に捨てるのか56に捨てるのか。その違いで面白いことができないかな。

イメージと読みの詰棋観 #2

【問】第6回詰将棋創作キッズチャレンジA部門の課題「両王手が登場する3~9手詰」の最優秀賞に輝いた鈴木蒼大作をどう見ますか。

柳原 最初から持駒に桂があれば29桂~57龍の手順は真っ先に浮かぶような構図である。2手目同香には13龍の残像を見せておき、作意では桂合。よく計算されている。

久保 初手の龍に対して取る変化は金を捨てて角と龍の両王手、作意は龍を捨てて角と金の両王手なんです。作意と変化で2種類の両王手が出てくる。切り分けとして14桂は洒落てますし、手順は満点なんじゃないですか。パラの中学校に出てても、いいっすねってなると思いますよ。作者が武島宏明って書いてあったら、配置はもうちょっと整理できたんじゃないのって言うかもしれないけど。

 香の品切れは惜しいですね。自分だったら72金を81馬にして、14合が前に利く駒だったら18に打って、同馬と取っちゃうと71への利きが外れて詰むという感じで作るかな。81馬が27に利いてるから23香も無くせるかも。とはいえ本作は良すぎるんでいじり甲斐がないですね。基本、褒めるところしかないですよ。

藤原 超短編を両王手という課題で作るとき、両王手は何手目にすべきか分かりますか?最終手です。この作品はまずそこをクリアしているのが偉い。どういうことかというと、例えば両王手が初手に来ちゃうと、2手目は玉を動かす手しか無理なんですよ。それは変化を削って1手無駄にしてるようなものなので、応手が存在しない最終手で両王手しないと超短編としての凝縮力に欠けます。

 角と玉の間に3枚並んでる形をプロブレムではサードバッテリーと言うんですけど、3枚の駒をどの順番で動かすかで6パターン出せるんですよね。それを全部変化や紛れで出すのがサードバッテリーの究極の目標になります。この作品は初手の捨て方が2択になってて53龍を動かす手がないのが厳しく言うとウィークポイントですね。ただ、初手27金としたときに作意とは違うハーフバッテリーが出てくる。作意と紛れでハーフバッテリーを2通り出したのは良いなと思いました。サードバッテリーの前例には若島さんのフロンティア3番があります。

 14桂は相当ひねってますよね。同香では応手を無駄にするだけなので、これは素晴らしいです。ただそれを同龍と取るのは違うような気がしますね。1桁手数で攻方の駒取りは普通やりません。全然無理な話をすると12龍を06に捨てて14桂を動かして13龍の両王手で決めると作意の一貫性は出ますね。9手じゃ収まらないけど。

 もう一つ良い点を挙げると、14同龍は俗手で、29桂も捨て駒とはいえ俗手で、連続俗手になっちゃってるんですけど、29桂に26玉と逃げる変化があって、それは23龍という新たな開き方が出てくるんですよ。さらに36玉には34龍がぴったりだし、15玉には26角成がぴったり。この変化の作り方は好きですね。この作品は作意だけを見るんじゃなくて、変化紛れの絡み、作意との対比、全体像を見るべきなんです。

馬屋原 2手目同香には53龍を13に使って、作意は57に使うのが面白いですね。変化にまで気を使うのは意識的にやらないとできないですからね。はじめからサードバッテリーを知っていて作ったのか、間に龍を挟むと龍捨てが出るからやってみたのか。間に挟まってるのをどの駒から移動するのかっていうところで紛れが生まれるんだけど、作者としては余詰との戦いになるから大変ですよ。

 配置はもう1枚くらい減りそうな感覚はありますね。開き王手はいろんな可能性がある中で一番意外な場所に移動したいっていうのがあるから、23香の過剰防衛はできれば外したい。とはいえ推敲どうこうよりも龍を縦横無尽に使う発想が非凡なので、そこを評価したいですね。

井上 14桂は面白い狙いだと思うんですけど、ちょっと惜しいなと思うのは、13龍を先に捨てると同香、12龍が両王手にならないという紛れは、作意とも関連してるので入れてほしかったですね。あとは龍を縦に動かす紛れが無いので、それができるとさらに面白くなるんじゃないかなとは思いました。14桂合も角の利きが無い方が疑似中合になって印象が良くなる気がします。

イメージと読みの詰棋観 #1

シナトラくん発案のイメージと読みの詰棋観をやってみました。

回答に協力していただいたのは柳原裕司さん、久保紀貴さん、藤原俊雅さん、馬屋原剛さん、井上徹也さん(回答順)の5名です。

柳原さんだけ回答をテキストで貰ったので、口頭で答えた他の人たちと違って常体かつ短文ですが、ひとり不機嫌なわけではありません。あしからず。

【問】この3手詰を逆算するなら、どういった方針で考えますか。

柳原 初手14に駒を打ち(桂か香)数手後、直接または間接で邪魔駒消去。

久保 パッと見は36桂打つか44角成るかだけど、36桂で作るのは作風じゃない気がします。44角成も茫洋として何をすればいいか分からないから選ばないですね。44角成はその先に良い手を入れようっていう逆算なんで、もし作ったとしても完成形では収束変えてると思います。犠牲を払わずにこの収束がそのまま使えたらいいけど、そこはこだわらないですね。

 この素材で作る以上は41角を打って24の利きを外して14角と戻すのがいいのかな。21に受方の飛車を置いて41角、25玉、22飛、同銀とかができたら気持ちよさそうですけど、ちょっと無茶苦茶かも。

 入選3回目の自作が同じ収束なんですよ。当時は捨て駒が好きだったから捨て駒中心の手順になってます。今もそういう作り方をしないわけではないけど、発表水準には至らないですね。

2007年8月 久保紀貴

藤原 意味のある逆算をしようと思ったら、思いつくのはと金の翻弄とかなんですけど、最終手が同とに限定できないからあんまり意味ないかな。持駒を合駒で出して貰うみたいな逆算はしようと思わないんですよね。そういう作品は深みがあって紛れがあって複雑だと思うけど、自分は短編作家なんで気持ちは切れ味系なんですよ。合駒取るのも駒取りですから。

 44馬とか36桂とかの逆算も舞台作りの手だから、短編的じゃないんですよね。捨て駒ならそれ単体でいい手だけど、捨て駒じゃない手を入れるなら先を見ないといけないんですよ。44馬、23玉、22馬、34玉の往復とか、15桂、同ととか、意味のある手順が先に見えてないと選べない。

 14角は36が浮いてるところに捨てるから気持ちいいんですけど、36を浮かしたままだと逆算しづらいんで、36を塞ぐという手もありますか。14角は銀にできるけど、銀だと捨て駒の強度が低いんで飛車ですか。そうすると方向性ははっきりしてきて、限定打で12飛、25玉、34銀、同銀、14飛成みたいな感じですね。41角の限定打もできると思うけど、それだと14角が成生非限定になるんですよ。7手9手で作るときの成生非限定は罪が重いので飛車成にしたいですね。

馬屋原 逆算するときは極力駒は増やさず、駒取りも無しで、どこまでいけるか試します。駒数は基本的に盤上だけで考えてますね。私は逆算すると持駒が大量になる傾向があるんですよ。いのてつさんには持駒も含めた合計で考えた方がいいんじゃないかって言われたことがあります。いのてつさんの駒数の少なさは別格な気もしますね。

 44馬みたいな素朴な王手も嫌いじゃないんですよ。包囲してる駒を動かすと全然違う展開になるので。中編や煙詰の感覚かもしれないです。

王様だけが動いてると単調なイメージがあるので可能なら受方の駒を移動させたいですね。今はと金しかいないので、と金の移動が難しいとなると、もう1個守備駒を置いて、それを動かすことになります。詰め上がりに関係ない駒を増やすときは受方の駒を増やすんですよ。歩や桂であっても攻方の駒は増やさないというマイルールがあって。逆算を続けるためには大駒で包囲網を築いておく方がやりやすいんですけど、それが詰め上がりに残っちゃったらしょうがないんで、龍で金合を出して交換する手はよく使ってます。

井上 詰将棋って自分の力だけでは作ってない気がしてて、素材が持ってる力と自分の力があわさったときに、良い詰将棋ができる感覚があります。この素材だと完全に自分の力だけで作らないといけないから、ここから逆算しようとは思わないです。

 自分は正算で作ることの方が多いかもしれないですね。連続合が出る素材を、そのうち収束も思いつくでしょうみたいな感じでストックしてます。正算で収束をつけたら、構図が完全になるまで逆算を試みます。盤面が少なければ簡素ですよ教があるじゃないですか。盤面が少なければ持駒いくらあってもいい教。それに異を唱えたくて、自分は持駒含めて使用駒だろう教です。持駒をばーっと使っていくより、合駒で入手しながら進めていくのが好きなんですよ。

第9回 詰将棋サイコロトーク 詰将棋の作り方は目で盗め編

詰パラ5月号で藤井聡太さんが初入選作の改良図を発表してましたね。元の図はこれです。

2013年10月 藤井聡太

改良図は5月号で見てもらうとして、で、この改良図は確かに良くなってると思うんだけど、それを詰将棋マニアじゃない人にも理解してもらうにはどうしたらいいんでしょう。
詰将棋の評価の言語化は難しいですからね。
ひとつは55飛、同香を入れることによって原図では宙ぶらりんだった55香に説得力がもたされたのと、あとは駒取りが減ってますね。
発表図の飛車から合駒むしって13桂成っていう序が強引というか取ってつけた感があるんですよね。感覚論だけど。
ホリエモンが「寿司屋の修行に10年かける意味はない」って言ってたけど、いまの詰将棋界は、どんな作品がいい作品なのかって誰も教えてくれないから、何年もかけて見て覚えないといけない気もしてて、寿司学校みたいに詰将棋の専門学校を作るとしたら、そこでは何をどう教えるんでしょうね。
同じ10年でも作家10年と解答10年ではまた価値観が違いそうですね。原図の序をあまり気持ちいいと思わないのは、作るときの手癖というか、作家の感覚として楽な道を行ってる感じがするからかもしれないです。
13桂成、同玉、12とあたりはたしかにありがちな手ですね。
飛車打って合駒稼ぐのもね。まあまあまあ、入るよね、みたいな。
香合だったかもしれないけど、なにかしらの合駒は逆算で入りそうですね。
ちなみに原図、私は結構好きなんですよ。改良図の方が絶対良いかと言われたらそうでもなくて、55飛の伏線が入ってるんですけど、これがわざとらしい気もするんですよ。構図も原図の方が安定してる気がします。
そうですか?構図は改良図だな。15に玉がいるのがキモいんですよ。
いのてつさんは16の歩が浮いてるように感じるってことですか。
そう。あと、1筋で合駒を稼ぐことで、16歩の必然性が出てる。
いい視点ですね。
とはいえ2択どっちと言われたらさすがに改良図かもしれないけどね。
玉を呼んでくる序があまり好きじゃないんですよ。15にもう1回行くんで原図もいい作品だと当時から思いましたけど。
あと原図は初手に対して14角の変化があるんですよ。解いたときにそれで悩んだ記憶があって、それで原図もありかなと思いますね。
角合はどう詰むんですか?
たしか13桂成、同玉に46角と打つんだったかな。結構悩むくない?
46角に桂合がどうかなという話?
そうですね。桂合は……詰まないですね。あ、分かった。13桂成、同玉に12龍でした。結構いい変化じゃないですか?
たしかに。でもやっぱり感覚的に好きじゃないんですよね。手順の構成として。なんなんでしょうね。好みの話な気もするけど、作者も感覚的に嫌だったんでしょうね。
推敲を老後ではなく今やるところに作者の熱意を感じさせますね。詰将棋専門学校ができたときは名誉学校長に就任してほしいです。

第8回 詰将棋サイコロトーク 2024新人賞 俺は東京生まれパイナップル育ち編

 

12月号の結果稿がまだですけど、今年も新人賞選びますか。読み終えた詰パラは全部捨ててるので、いつもいのてつさんに作品を調べてもらってます。ありがとうございます。

2024年1月 近藤啓介+渕ノ上悠

馬鋸2回やるんだ。
再び遠ざかるのが面白いですよね。収束で96に利かすためです。
ひとつの趣向というわけではないけど、なんとなく雰囲気が統一されてる感じでいいです。繋げてるんだけど、ただの足し算に見えない。
軽趣向ながら手の組み合わせが謎解きになってますね。
元の図を見せてもらったときは馬鋸も入ってなかったはずなので、なかなか良い発展をしてますよ。
こういうのも大学院でちゃんと採用されるんですね。
いいことだ。
もっとこういう作品がある方が、大学院の毛色として個人的には好みだな。
新年号ということもあって、2作とも軽趣向でした。
これは冬眠蛙さんのブログにそのうち出るかもしれません。
弱点にも触れておくと63馬と遠ざかったときに54歩合が有効合の可能性があるみたいです。
還元型無駄合ですか。
まあでも軽趣向として好作ですね。

2024年2月 虹霓

手馴れてますね。キッズチャレンジの某くんだそうです。
ペンネームでやってるのは親に詰将棋をやってるのがバレたくないからだと聞いたことがあります。
親バレ防止なんだ。
実力者なので厳しい見方をすると若島作との兼ね合いは気になりますね。逆に言えば若島さんみたいな作品ですごいとも言えますが。
36桂が工夫の一手ですか。
36桂を省くと74馬、同龍、同馬の逆王手で詰まないから、桂捨ては純粋に25に利きを2つ作る意味付けにしたいです。
双玉なのは作意の74馬を取る一手にしたいからこうなってるんですよね。
例えば63馬を72馬にするとか。
問題なさそうに見えます。桂捨てで94の利きを外したと見られると嫌だから81馬にしますか。
そうすると構図がどうなんだろうな。

2024年11月 虹霓

これいいですよね。
形としては武島さんの作品があるっちゃあるけど、成らせた意味付けが47馬からの収束っていうのが解いてると見えづらいんですよ。69香を捨合で出すっていうのも気が利いてます。
その辺もさりげないけどよくできてますね。
この方は将棋パズルでも非凡な解答を寄せてました。
あの人か、そりゃすごいな。
私11枚の解答出しましたけど、9枚ですからね。11枚と9枚じゃだいぶ違いますよ。
でもこのペンネームちょっと嫌だな。中二病ぽいというか。
ほんとに中学生なんだからいいでしょ。
10年後に「なんでこんな名前でやってたかな」って本人が思わないといいんですけど。
若島さんも若い頃はペンネームでやってましたよ。
普通の名前っぽければいいんですけど。
鈴川優希的な感じ?
そうそう。鈴川優希がペンネームと知ったときはびっくりしました。会合で会ったときもコウゲイさんって呼んだ方がいいのかな。
そこは本名でいいんじゃないですか。

2024年3月 新井大輔

4枚の香でやってるのが意外に無いみたいです。まとめ方がベテランみたいですね。
序の付け方も趣向にマッチしてますね。香を3本成るのは偉いですよ。
変に枠の外に追って収束しないところに力を感じます。
大崎さんのは香と飛を全部使ってるんでしたっけ。
そうですね。その方が手が伸びるので。
そういう作り方もある一方で、これは全体的にいい手順でまとめてますね。
何が新しいわけではないけど、全体的にいい味出してますね。

2024年4月 森崎正行

いわゆるかいりゅーさんですね。
可愛いですね。
エッセンス的ではありますけど、過不足なく、これでできてる感じしますね。私結構好きです。角が行ったり来たりするのはあるけど、銀捨て金捨てのダブル感が好きです。
今年こそ配信に期待。
配信が無くなったのが最近の詰将棋モチベの低下に繋がってます。
誰のモチベですか?
私の。
かいりゅーさんの配信が、久保さんの創作意欲に繋がってたんだ。会合じゃだめなんですか。
会合は月1回じゃないですか。かいりゅー配信は2日に1回とかでやってましたから。
久保さんのためにも配信に期待。

2024年5月 西嶋悠太

収束なかなか、ちょっとしたものですよ。
39香と21飛、最遠打同士で詰むということですか。
新人ぽくないですね。手慣れている。

2024年10月 西嶋悠太

序の追い方独特ですね。一間龍からは見たことある追い方ですけど
進研ゼミで見たことある。
41銀52歩が進研ゼミ。
歩合は珍しいですか。
あんまり見たことないですね。
kisyに焦点の桂合があったと思いますけど、あったにせよ珍しいことは確かです。
こんな詰め上がりがあるんですね。
新ヶ江さんはこういう詰め上がり作らないらしいです。
28合を有効合と見てるんですかね。
新ヶ江さんは細かいところまでこだわって作る方だけど、私たちからすると別にいいかなと思っちゃいますね。
逆に詰め上がりとしては新鮮といえます。
23飛の中合インパクトあるけど、そこから正算で煙らせたのかな。
正算で煙らせるのは添川さんくらいじゃないですか?
23飛合も進研ゼミっちゃ進研ゼミなんで、逆算でひねり出したのでは。
浦野さんの煙詰に53飛合がありましたね。
最近の人は煙は作れちゃうんだなあ。
ドラゴン桜は「バカとブスは東大に行け」って言うけど、そんな感じで「初入選は煙を作れ」ってあると思ってて。
あとからだとただの煙が出せなくなるからですか?
そうそう。この作品はいい方だけど。
世知辛い世の中ですよね。煙は技術力の差が出やすいフィールドなんで、技術高い人が前に前に進み過ぎちゃって、普通の作品が出しづらい領域に見えますね。
あとから来た人が途方に暮れちゃうところがありますよね。そんな中、新人で作ろうという気概はいいですね。
しかもこの作品は新作たりえてます。
普通、中合は入らないです。
どこまで狙ってるか分からないけど23と83で中合を出して対称性がありますね。煙しか作らないのかな。
いろんな作品も見てみたいです。

2024年5月 新井大輔

34を飛び越えさせておく構想みがあります。
ベテランの味がありますね。同人室にありそうな。
それは褒めてるのかどうなのか分からない評価だな。
これを同人が発表したら「おい!今更こんなん出すな!」と思うけど、新人の作品なら好印象。
解いたときに独特な味を感じましたよ。14桂が13香で取れるところもいいんですよ。普通は13は桂馬にしちゃうから。

2024年9月 新井大輔

これめっちゃ良くないですか。
すごい紛れがあって馬捨てが見えないんですよね。
12角成に33玉は13飛成で詰むのがうっかりするというか、逃げられそうに思える。そして馬を原型消去して31桂成。
これ虫いいなー。
めっちゃ好きです。こんな表紙作が作りたいです。
表紙にぴったりの好作ですよね。
表紙賞でしょ。
仲村くんのもありますよ。
高坂賞受賞作ね。
甲乙つけ難いなー。
かなり活躍していた45角が12馬になった瞬間邪魔駒になるのが意外性があります。
常に逃げられそうなんですよ。21馬に41玉も大丈夫なの?と思っちゃう。そういう浮遊感が味を出してますね。

2024年10月 新井大輔

これかなり好きです。
キーの入れ方がすごい手慣れてませんか。
歩と桂は入ると思うけど、飛車のところが面白いです。収束は最短でまとめたと作者が仰ってました。
収束は飛車切って角も働いてるので全然嫌味ないですね。これは冬眠蛙さんのブログで絶対紹介されます。
54飛、62玉のときに64飛打という手があるんですけど、それには桂合がぴったりという。最初に詰工房で見せてもらったときは角合がもっと少なくて。
たぶん1回だけだった気がします。
そのときはあまり評判が良くなかったんですけど、それをここまで仕上げたのがさすがですね。
繰り返すのがテーマなのかなと思ったけど、最初はそうじゃなかったってことですか。
最後の角合と飛車の移動合が創作初期のテーマだったはずです。
そこが一番面白いところではありますけどね。でもそれをここまでにしたのか。非の打ち所が無いな。

2024年6月 小窪碧

やさしい大学院で出題されたんですけど、すごく難しい作品です。
見えづらいそっぽになってますね。
飛龍をバックにした馬の捨て方も面白いです。
単騎追いでいいですね。
創作の出発点が気になります。
この序がいきなりついたとは思いづらいので正算で作ったのかなあと思いましたけど。
正算だとすると清涼詰めまで上手くまとめましたね。
初形の角馬龍飛の配置から正算で作ったとすると、だいぶ力がある人だなあ。
結果稿読んだら奨励会三段だそうです。
変な詰ませ方でもないし、初入選感はあまり無いですね。素晴らしい。
最近は奨励会の方で詰将棋を投稿してくださる方、結構いらっしゃって。
ありがたいことだ。
ただ、本職も頑張ってほしい気持ちもあって、どうしたらいいか分からなくなっちゃいます。
いや、ありがたいですね。
そうなんだ。じゃあ、ありがたいことです。

2024年8月 藤井猛

Xで発表されていた作品は伏線とかも入ってなかったので、この作品もその延長線上かと思ったらこんな大作でびっくりしました。
こんなすごい作品と思わず見たんで私もびっくりしました。
藤井さんがこんなに詰将棋好きだと思わなかったですね。次回作も楽しみです。
龍置いがお好きなんですかね。
竜王ですから。
脱線しますけど「龍と苺」知ってますか。
SF将棋漫画ね。
最近ハマってるんですよ。ぜひみなさんも読んでください。

2024年9月 松本博文

昔の若島流ですか。狭いところから合駒が出て粘るという。
それ聞くと角流な気もします。
角さんはもっと粘りっこいイメージがあります。あと、角さんなら21桂と11香がありますよ。でもこの作品もいいんじゃないですか?
なかなか読ませる作品で、攻方が飛車2枚持ってると金合が限定されるというのが、ありそうで無かったですね。
その前に歩合出してるのも地味ながらポイント高いです。
香合は?
最後31龍があるから歩合に限定されてます。
上手い!
次回作もあるんですかね。
スマホ詰パラに結構発表されてるんで、本誌での活躍も期待したいです。

自分は詰将棋を始めたきっかけが松本さんなんですよ。松本さんが学生時代に図巧無双を解いていて、それが図巧無双に触れるきっかけのひとつになりました。
将棋パイナップルの頃ですか。
なんですかそれ。
松本さんがやってたサイトで。
掲示板の集合体で、詰将棋のスレッドもありましたよ。
リレー随筆とかやってましたよね。
糟谷くんとかも書いてました。
パラでもリレーエッセイありましたよね。あれ、最後だれ?リレー繋げなかったってこと?
そりゃ最後にふさわしい人でしょう。
大御所?
山田修司さんとか?
終わらせる役目なら水上さんですか。
気になるな、リレーエッセイの最後。小池さんなら知ってそうだけど。
いま調べたら、パラのリレーエッセイの最後は及川先生でした。
じゃあ及川先生に連絡取ったら再開できるってこと?
ぼくに回してください!って?そうかもしれないですけど、要ります?バトン。読みたいけど、書きたくはない。
私は書いたことありますから、もう関係ないですね。
1人1回とか決まってましたっけ。
流石にリレー2回走らないでしょ。
往路と復路ありますから。
それも走るのは別の人ですよ。

2024年10月 上村豊

気持ちよく捌ける系の作品ですか。
手作りの良さがありますね。真ん中の中合あたりから作ったんでしょうね。銀引も打つ手があるから味がいい手になってます。自分で意思を持ってまとめてる感じが好印象です。

2024年11月 増井悠

これめっちゃ好きでした。好みです。
龍が完全に邪魔なんだ。
この作品はすごく良いけど、もっといけるポテンシャルないですか。31龍、21歩の逆算とか。
桂も合駒で取って。
21歩を発生させた瞬間に邪魔駒になる方が自分は好きだな。流れで21歩が発生するより、はじめから12歩は打てるんだけど、21玉で逃れちゃうから、31龍で21歩を発生させてから龍を消す、でもこれは難しそう。いのてつさんの方が現実的ですね。
51龍、31桂、同龍、21歩。
中合が出るんですか。
このままだと51龍に21香合が詰まないですね。
香合はどうにかならないですか。
どうにかなるでしょう。
その逆算は増井さんの老後の楽しみということで。

2024年11月 鈴木蒼大

これは将来有望ですね。
角捨てた瞬間の42合の変化処理なんか工夫してますね。
41歩を銀にして右に2つ並行移動したら駒減るなあっていうのは気になりました。老後の楽しみを奪っちゃうけど。
そこも含めて新人らしいということで。

2024年11月 古森悠

これすごい上手いなあと思ったんですけどプロ棋士ならそりゃ上手いか。
不利感の演出が上手いんですよ。44銀打が重複するようで重いんだけど、最後35で捌くのがいい。
44銀打は前の局面でもできるし、なんならそっちの方が有利感あるし。
収束も変わった感じですね。35銀を同銀や同玉で終わるのが普通だと思うんですけど、ちょっとひねったのかな。
不利感を重視したのかもしれないですね。
プロ棋士だけど、実戦というより詰将棋に親しんだ人の作品という感じがしますね。
序の4手も味がいいです。
取らず手筋じゃないけど、取らず手筋みたいな味がありますね。

2024年12月 松田己次

11金から33角成は第一感ですね。清涼詰め。可愛い。初入選はこうじゃないと。美しい配置で、こういうのは将来作品集にも載せれて、黒歴史にならないですよ。
結果稿がまだなので作者の情報が不明でした。

2024年12月 瀬良美

本名なんですかね。どこまでが名字なのか分からないけど。
セレビィと読むとか?
セレビィではないでしょ。手順は歩が3回前進するという独特なテーマで、制御する駒が多くないのがいいですね。
配置から中合が出るのかと思っちゃいました。
45香合、35歩、47香、34歩まで11手というのもありますか。まあでも9手コンですからね。
中合が出なくてがっかりというよりは、また違う面白さの作意でした。

2024年12月 泉夢実

夫婦で並んで入選してましたね。
以前、詰工房にいらっしゃったときに「合駒動かしとかとりあえずやってみるといいですよ。桂合とか」と言った記憶があって。
久保さんへのアンサーですか。
基本に忠実に動かしていて、いいと思います。
7手の合駒動かしがあって、9手コンに出すために残り2手どうするかで、作者は25桂、同香を選んだわけだけど、これに辿り着くまでに他の道もあったのかな。
23埋めておいて、これが作りやすかったんですかね。

2024年12月 田澤博

私も昔この焦点捨て作りました。23に捨てるのが、なんかいいんですよ。
私も32に龍がいて23金と焦点に捨てる作品を幼稚園に発表した記憶があります。
なんでみんなこれ作ってるんですか。自分は作った覚え無いです。
大崎さんは初心の頃を忘れてるんですよ。
欲を言えば収束は51飛成、同玉、52金にしたいですね。結構難しいけど。


新人賞を決めますか。
いっぱい作品を出してくれた新井さんはポイント高いですね。どの作品も高水準だし。前回はどうやって決めたんでしたっけ。
去年はマイナビに転職した會場さんが新人賞でした。
じゃあ今年はマイナビに新卒で入社したkisyくんが新人賞ですか。
岸本裕真さんおめでとうございます。

第7回 詰将棋サイコロトーク 2024詰将棋ウラ10大ニュース編

今年は何がありましたっけ。
詰将棋解答選手権(秋)をやりましたね。
看寿賞候補にも挙げられるレベルの高さでした。

今年はkisyがマイナビでYouTuberになった年でもあります。
kisyのYouTubeでいうと會場さんの解説から創作と二重詰将棋に感動しました。考えどころがあって面白いパズルで、自分ではとても思いつかないです。
解説から創作の問題が1つ、久保さんの作品と一緒だったんですよね。

第二弾やってほしいなあ。

いっこやってみたいことあるんでいいですか。いまから出す図面が誰の作品か、作者が分からなくてもどういう作品か分かったら言ってください。早押しです。

これは原亜津夫さんですね。この構図は非常に特徴的なんで反転してても分かりました。

じゃあこれ。

うわーこれは分からない。
イオニゼーション。
正解です。
イオニゼーションは反転してなくても分からないかもしれない。

次。

これは稲村ヶ崎か。
裏返ってても分からないですよ。
たしかに。これは分からないです。
そういうもんですか。
稲村ヶ崎は収束がファイナル・カウントダウンと同じなことしか知らないです。あ、と金が4枚ってことから分かるのか。
それ柳原さんに教えてもらった気がする。たしかになんとなく落ち着いた初形で美しいですね。しかし30分考えても出てこないです。解かないと。
解いたら収束が出てきて分かるのか。
収束で「もしかして稲村ヶ崎か?」って。煙は勉強不足なんで。

これは見たことある。若島さんのフェニックスか。これは分かりやすいですね。有名作なんでね。
有名作じゃないと元が分からないと言われちゃうと思って。稲村ヶ崎も知らないと言われるとは思わなかったけど。
稲村ヶ崎は知ってますよ。配置を覚えてないだけで。中編は配置の意味や役割まで認識してるけど、煙だと配置に対する理解がだいぶ違いますね。イオニゼーションはただの勉強不足です。
得意な分野はありますよね。kisyなら煙得意なんじゃないかな。

長考のフリーレンのツイートを見たときに、最初、実戦の局面だと思ったんですよ。
ぼーっと見ると実戦だと思っちゃいますね。
誰かのツイートでこれが詰将棋作品だと知ったんですけど、それでもしばらくミクロコスモスだと気付かなかったんですよね。
ミクロコスモス感薄いですね。やっぱり長編だと分かりづらいのかな。玉まわりの駒なんてミクロコスモスでは意識しないですからね。
ぱっと見まず玉まわり見ちゃいますよね。
遠近法もあいまってね。見た目にと金ベルト感が無いんですよね。ちょっと手順を進めないと分からないかも。
関係あるか分からないんですけど、将棋の実戦局面を覚えるスピードはプロ棋士と初級者とでは当然プロ棋士の方が速いんですけど、ランダムな配置になるとそんなに差が表れないらしいんですよ。プロ棋士は暗記力が高いわけではなくて、美濃囲いとか石田流とか、かたまりで認識するので覚えるのが速いそうです。
配置に意味を与えてるってことですよね。中編だとこの駒はここに動いてっていうのを認識できてるのですぐ分かりますね。原亜津夫作は角歩玉の配置が印象的すぎて、すぐ分かりました。

もういっこ煙でやってみていいですか。

これは斎藤先生。序盤で香を無理やり詰め込んでるなと思った記憶があるので分かりました。

なんで分かるの?
全然分からないですよ。
井上さんも馬屋原さんも煙に強いな。
煙に限らず全部強いんだろうけど。
煙は自分で作るようになって見え方も変わるようになりましたね。

長考のフリーレンは11月なんですけど、同じく11月にはスマホ詰パラブラウザ版もありました。
それはオモテのニュースですね。光の匂いがする。
陰のニュースは何がありますかね。
大崎さん数年振りに詰工房に参加。
それは裏だなあ。
たぶん2017年12月以来だと思いますよ。
あ、意外と最近行ってるんですね。もっと前かと思ってました。
7年前は最近じゃないでしょ。おじいちゃんじゃないんだから。

Website Fairy Paradiseの担当がたくぼんさんからspringsさんに変わったのはどうですか。
それはオモテなんで、裏は「springsさんの誕生日祝い開催される」ですね。
奥さんが主催なんですね。
しかもサプライズですよ。
いい夫婦だなあ。
そんなしみじみしなくても。大崎さんはうまくいってないんですか。
そういうわけじゃないんですけど、普通、詰将棋って夫婦の仲を引き裂く方に作用するじゃないですか。それが絆を深める方に働いてて、珍しいパターンですよ。かつて無かったんじゃないですか、こんな夫婦。

詰将棋メモを読み返してるんですけど、上谷さんもYouTubeやってましたね。
詰ナビさんも今年でしたっけ。
そうですね。詰ナビさんは裏ですね。
詰将棋の誕生は流石にオモテですよね。若島さんがXからBlueskyに行ったのはどうですか。
Bluesky追いかけられてないです。
将棋世界の作品みたいな若島さんの新作が見れますよ。

かいりゅーさん今年配信してましたっけ。
されてないですね。
やらなかったシリーズでは「詰将棋解答選手権2024の本が出なかった」もありますね。ところで詰パラ1月号の解答選手権の作品募集に「詰将棋解答選手権2025(通称年鑑)」って書いてあるんですけど、いま詰将棋年鑑もあるからややこしくないですか。
将棋年鑑詰将棋解答選手権の作品の解説ありましたよ。
あ、2024が出なかったのは、そっちの年鑑でやったからってこと?

個人的な話では冬眠蛙さんの軽趣向好作選で私の作品がついに取り上げられました。
それをニュースにしたくなる気持ちわかります。自分も載りたいですもん。
自分も何かで載ったときに嬉しかったです。

ということで、2024年の詰将棋ウラ10大ニュースは

  • kisy、YouTubeデビュー
  • 解答選手権(秋)開催
  • 大崎、7年振りの詰工房
  • 長考のフリーレン
  • 詰ナビ始まる
  • 若島さんBlueskyに移行
  • springs誕生日祝賀作品展
  • かいりゅーになりたい配信せず
  • 詰将棋解答選手権2024出ず
  • 久保さん軽趣向好作選に載る

に決まりました。

あ、今年は「大崎、次のこの詰の編集に立候補」もあったんでした。

いいですね!進捗どうですか

進捗ありません。

2025年はがんばりましょう。