書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

思わずスクショした対局2020

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取歩駒の利きを巡る攻防。

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両対局者、後手玉に詰みありと読んでいたが手順中32金合のところ飛合で詰まなかった。

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83飛打!

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記録係はこの局面が寄らないと見ていたんだけど

実は32龍、同玉に41角があって詰んでいたという話。41角はまさに手筋物。

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28銀に同銀は26銀以下詰み。同玉は手元の非力なパソコンでの短時間検討では詰みを見つけられなかった。

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退路封鎖による打歩詰誘致に対して

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先打突歩詰で対抗。

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69角に89玉と逃げて頓死。たしかに腹金は見えづらい。

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打歩詰の局面だけど26角、同玉、36金で詰み。

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後手玉は52馬、同玉、32飛に42香の捨合で不詰。

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打歩詰の局面だけど23龍、同銀、17桂、16玉、27角、15玉、25桂、同玉、16角、15玉、43角成で詰み。

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32桂成、同玉、44桂と桂馬を打ち替えて22玉に25飛以下詰み。

詰パラ2020年11月号は出色の出来だった

結果稿に良い作品が目白押しだった。ここ数年で最高。初めて詰パラを読む人にお勧めしたい号だ。

2020年11月結果稿 小10 藤原俊雅

14角、25銀、36銀、同銀、45龍、同龍、57金まで7手

中合を動かす場合、普通に作ると合駒、玉の移動、合駒の移動で受方に3手かかるため、最短でも7手詰になる。

藤原作も7手で中合を動かしているが、この作品は7手中合動かしの文脈とはまた違った鑑賞が必要だ。

というのも、玉の移動を省略するテクニックを用いると5手でも中合を動かせることが知られており、実際この藤原作の中合移動も5手でまとめられるからだ。

下谷曲希

58馬、36銀、25銀、同銀、34飛まで5手

構図は違うが角と飛の交点に銀の中合が発生して、それが直後に動くという手順はよく似ている。5手でできることをわざわざ7手かけてやるというのは、作り方によっては蛇足や冗長、焼き直しのそしりをまぬがれないが、しかし藤原作はそういった疑問を感じさせないほど完成度が高い。

追加された2手で龍を捨てるのもさることながら、初手14角も57金を狙った捨て駒になっているし、下谷作が斜め後ろに利く駒として銀合に限定させているのに対して、藤原作は斜め前に効かせているため金合の変化が新たに生まれており、この変化も取って57金打までで詰むようになっている。

変化処理が57金に統一されることで余計な駒が増えず、すっきりとした構図のなかで5手中合動かし+2手が成立している。7手詰ではあるが、5手中合動かしの決定版といってもよいだろう。

超長編の許される変長と余詰

あらかじめ断っておくが、人の作品を不完全だとかキズ物だとかあげつらいたいわけではなく、最近知ったこと気付いたことを記載しているだけである。


今月、パラの順位戦で変長作が入選取消になり、ちょっとした論争になっているが、変長の話になると必ず思い出す作品がある。(作者はそんな思い出され方はされたくないだろうけど)

2010年7月 井上徹也 シンメトリー

収束直前、495手目に88飛と打ったところ。

作意は95玉、96歩、同玉、97馬、同玉、99香までだが、87飛合とするとどうやっても2手長1駒余りの変化長手数になる。変長作でありながら本作はこの年の看寿賞を受賞した。(重ね重ね言うが、看寿賞受賞を非難したいわけではない)

変長がどれほどのキズなのか、いっそ現代では不完全の扱いにしてしまってもいいのかについては議論の分かれるところではあるが、余詰が不完全というのは誰しも認めるところだろう。ところが超長編の世界では余詰も許されているケースがある。

2006年10月 田島秀男

286手目13玉としたところ。

作意は23歩成、同玉、24馬までだけど、ここで12成香と取っても詰む。

1999年8月 橋本考治 アルカナ

634手目98玉としたところ。

作意は99香、同玉、88銀、98玉、99金までだけど、99香と99金を入れ替えても詰む。(これは余詰ではなく、あくまで手順前後や非限定のキズだと見る人もいるかもしれない)

超長編では終わり5手くらいの余詰は許されているようだ。(てっきり終わり3手までかと思っていたが、終わり5手で許されている作品もあった

短中編でも最終手からの余詰は許されているので、手数の長い超長編ではその範囲が拡張されるという論理は分からなくもない。

私見では超長編で収束の余詰が許されている一因は、看寿の寿611手詰が601手目から余詰があるのに完全作として扱われていることに端を発しているのではないかと思っているが、どうだろう。

ただ、田島作もアルカナも看寿賞間違いなしの作意でありながら、実際には受賞していないところを見ると、収束余詰は完全作として発表はできても看寿賞では避けられてしまうようだ。(聞いた話では、アルカナは修正再出題が影響したらしいが、当時のパラが手元になくて不明)

夕星と魁

今月のパラで自分と流さんの合作が言及されていた。

2020年6月 野曽原直之 「夕星」

46桂、55金、同飛、56金、同飛、57金、同飛、58金、
48銀、69玉、78馬、同玉、87馬、同玉、88と、76玉、
87と、75玉、86と、74玉、85と、63玉、75桂、52玉、
41桂成、57金、51銀成、43玉、44金、同玉、45金、同玉、
54銀、55玉、56歩、同玉、57銀、同玉、48金、56玉、
57歩、55玉、45金、
まで43手で詰

初手46桂に55金と近接合が出る。これはぐるっと玉を追いかけ回して52玉、41桂成に54金と飛車を取るための手だ。

結果稿によれば次の作品が発想の起点になったそうだ。

2003年9月 流崎。

67龍、66桂、同龍、65桂、同龍、64桂、同龍、63桂、
51歩成、同玉、62と、同玉、74桂、52玉、54龍、53金、
64桂、61玉、72桂成、同玉、82桂成、61玉、62銀、同玉、
51銀、61玉、73桂、52玉、41馬、同玉、42歩、32玉、
41銀、23玉、13と、24玉、14と、25玉、15と、26玉、
16と、27玉、18銀、38玉、29金、49玉、59金、
まで47手詰

初手67龍に66桂と近接合が出る。これはぐるっと追って59玉に58龍を防いだ手だ。

たしかに似ているし、発想の起点になったのは先行作の作者としても嬉しい話だが、多くの人が夕星を見て思い出す作品は自作ではなく魁の方かもしれない。

1986年 添川公司「魁」

21角成、同成香、19龍、18歩、同龍、17歩、同龍、16歩、
同龍、15歩、同龍、14歩、同龍、13歩、同龍、12歩、
21銀成、同玉、31と、同玉、34香、33歩、32と、同玉、
33と、41玉、42と、同玉、22龍、53玉、54歩、64玉、
62龍、63金、65歩、同桂、63龍、同玉、64歩、同玉、
55金打、63玉、64歩、52玉、53歩成、同玉、54金、42玉、
43香、51玉、52歩、61玉、72香成、同成銀、同と、同玉、
63歩成、81玉、82歩、同玉、93銀、83玉、92銀不成、82玉、
74桂、同と、83歩、71玉、72歩、61玉、51歩成、同玉、
42香成、同玉、53金、51玉、52金、
まで77手詰

19龍に18歩合と近接合が出る。これはぐるっと追ったときに19歩成と龍を取るための手。

夕星と魁に共通しているのは、王手駒が動かないということだ。自作は58龍と移動する先のマスを殺しているのに対して、夕星と魁は王手駒がいる位置に利かせている。魁は7連続合なので下に回り込むスペースが無く、すべての段で横から王手する作りになっているので、構図の制約が凄まじいことになっているが、動かない王手駒の位置に利かせるという点は夕星と同じである。

流崎型でやるなら54飛に55銀合として

ぐるっと回って62玉に64飛となるだろうか。

魁型と流崎型と、どちらが優れているというわけでもないが、いずれにせよ歩合や桂合よりも金合を取っていく方が余詰みやすいと思われるので、夕星、よくぞ作ったものである。

質駒を狙う馬屋原手筋

連続合のロジックは手筋ではなく原理と呼んでいたような気もするけど、馬屋原手筋が浸透しているので、ここでも手筋としておく。

連続合駒の意味づけのひとつに、王手駒の利きに利かせるものがある。

例えばこんな感じの仮想図で

91飛に81銀合と近接合すれば、12歩は同玉、92飛成、同銀で詰まないというもの。

連続合駒が狙いということは近接合をサボれない仕組みが必要になってくる。

81銀合に代えて71銀合なら12歩、同玉、92飛成、82歩合となって、これがなぜか詰むというわけだ。

これは取られず生き残った92龍を活用したり、82の合駒が攻方に有利な駒種しか打てない仕掛けを用意することで解決できるが、馬屋原手筋は前者である。

2015年11月 馬屋原剛

93角、84飛、同角成、75飛、同馬、46玉、55銀、同玉、
54飛、同玉、44飛、63玉、64馬、62玉、73銀、71玉、
82銀不成、62玉、73馬、53玉、45桂、同角、64馬、62玉、
73銀不成、71玉、41飛成、61桂、同龍、同玉、62歩、71玉、
83桂、81玉、82銀成、
まで35手詰

93角に75飛合と近接合をサボったとしよう。すると58歩、46玉、82角成、73歩合で82馬が取られずに生き残るので

55銀打、36玉、72馬と角が取れて詰む。もし72馬を同Xと取り返されても45角でやはり詰む。72角を取られたら終わりなので、その一歩手前の82で馬を消しておかないといけない。そのために近接合がサボれないというわけだ。

84飛合なら詰まなかったのにの図。

馬屋原手筋の面白いところは、72角という1枚の質駒を巡って近接合が2回起こることだ。

つまり、84飛合を同馬と取ったあと、

ここで66桂合と近接合をサボると、58歩、46玉、73馬と再び質駒を狙われて

64桂合、55銀打、36玉、72馬までである。

72角を取りに行くルートが82からと73からの2つあるので、近接合も2つ出るということだ。

それでは質駒が2枚あったら近接合が4回出せるのではないか。そうして作ったのが次の自作である。

2016年10月 自作

98馬、87香、同馬、76香、同馬、65香、同馬、54香、
35桂、34玉、26桂、同歩、24と、35玉、39龍、38歩、
同龍、同と、25と、同玉、47馬、34玉、35香、同玉、
36馬、34玉、35香、23玉、45馬、13玉、14歩、同玉、
36角、25桂、同角、同玉、17桂、14玉、15歩、同玉、
16香、同玉、34馬、15玉、25馬、
まで45手詰

馬屋原作を上下反転させた形で、飛合の代わりに香合が出るようになっている。質駒は79銀と57銀だ。普通に考えたら79銀を取るときは57銀が邪魔で79馬とはできないのだが、48龍、同銀と攻方が自由に57銀をどかすことができるので、2枚ともが質駒化されている。ここが工夫であり、先行作から発展しているところである。

この作品を見た久保さんが、さらに別の発展をさせた。

2017年10月 久保紀貴 「パラレル」

88馬、77香、同馬、66香、47香、同馬、66馬、55香、
同馬、35玉、36香、同馬、45馬、同馬、47桂、44玉、
53銀不成、43玉、44香、同馬、52銀不成、同玉、51飛成、43玉、
35桂、同馬、45香、同馬、53龍、
まで29手で詰

馬屋原手筋で香合が連続で出るところは自作と同じだが、質駒は69馬1枚に戻っている。どういうことか。

連続合の途中で47香、同馬と動かすことで、1枚の質駒に2役もたせているのだ。質駒2枚相当なので4連続合にすることも理論上は可能そうにも思えるが、作者の検討によると馬と香では3連続が限界とのことであった。

3連続合に収めた代わりに簡潔な構図と手順でまとまっている。また、言うまでもないが質駒が生角から馬に変わったことで、質駒を取りに行く変化が同馬と取られる形になっているのも新たな発展である。

思わずスクショした対局2019(2)

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最後の王手ラッシュで19手目53龍に32玉と逃げたために33銀、21玉、22銀成、同玉、34桂からの頓死。43金合なら詰まなかった。

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逆王手。44銀、同香と捨てて逆王手からは逃れたが、勝ったのは後手。

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変化に表れる場合も含めて、プロの対局で打歩詰はそう珍しくないので、打歩詰局面というだけでは弱いか。

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以下、83銀、93玉、92銀成までで先手勝ち。12金捨てもそうだけど、実戦で待宵の手順が出ると嬉しくなってしまう。

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詰将棋として見るとあまり珍しくない、実戦型からの桂の移動合。

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棋譜コメントの通り実際に29同飛、同と、79飛、39飛と進んだので、と金運びの趣向が始まるかとも思ったが、59桂で続かなかった。

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実戦は63銀とは打たず、66桂、同歩、64金の連続捨て駒から詰ませて先手が勝った。

思わずスクショした対局2019(1)

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83歩成で後手投了。同金と取れば74歩が打てるようになる打歩詰打開の手筋。

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実戦は21金、12玉、24桂、同歩、23銀、同金、42龍で詰ませたが、ここで12金と放り込むのが一番速い詰みだった。Twitterで見た指摘。

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85金は41角の利きを自ら遮る打歩詰誘致。実戦は87銀と縛らず、96歩、同玉、87銀打、85玉(これも打歩詰局面)、76銀生と進めて後手が勝った。

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81にいた飛車を85にただ捨てして先手投了。

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ここで77金と縛れば先手勝ちが感想戦の結論。棋譜コメントにある17桂合は、まさに詰将棋みたいな手だが、詰将棋業界的には中合ではなく捨合か。

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打歩詰。19角成と香を取って詰めろがかかったが98香、96香、97香、同香成と持駒変換してから56飛と回って先手が勝った。

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たしかに詰んでいる。

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38桂、同歩成で打歩詰を打開して、27歩、37玉、15馬、47玉、25馬で後手投了。以下は詰む。

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77桂生、59玉、69桂成の二段跳ねで先手が投了した。もし同玉なら57桂の打ち換えである。

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実戦は58銀生、同飛の2手を入れてから76角、96玉、85金以下詰ませたが、58銀生は入れなくても詰む。

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二歩禁回避の香先香歩。しかしこの後は先手負け。