第3回 詰将棋サイコロトーク 酔鯨編
今日は酔鯨を読む会です。



























1980年5月 柳原裕司























筆なしでスイスイ描く / かんたんで楽しいアクリル画
— Watercolor by Shibasaki🎨柴崎春通 (@shibasaki_art) 2023年4月9日
絵筆を使わずにお絵描きしてみたいと思います。どんな仕上がりになるかお楽しみくださいね。
YouTube: Watercolor by Shibasaki https://t.co/kbKgT9LGEx pic.twitter.com/eGxtzJkeoi















第2回 詰将棋サイコロトーク いのてつさんの再帰連取り講座編
前回の続きです。


65手目55飛と歩を取ったところ。ここで作意は65飛合だが、受方には96玉と逃げて64歩を盤上に残す選択肢がある。一見すると盤上に歩が残るのは受方有利にも思えるが、この変化を受方不利の早詰にしなければならない。



収束で307手目26飛と桂を取ったところ。このあと作意は95玉、25飛と続くが、攻方が剥がしをさぼって5段目に歩を残しておくと、25飛が王手にならない。
陽炎は83飛にすぐに84飛合とせず94玉、93飛成、85玉、83龍としてから84飛合とする。この一度よろけて飛車を成らせて手数を稼ぐ手順が新世界っぽい。






2023年4月 井上徹也 静かの海












































第2回 詰将棋サイコロトーク 私のバカせまい史編
前回の続きです。
龍追いしながら受方の置き駒を剥がしていく作品。初形で62に歩があるが、龍追いを1周すると72に歩が移る。もう1周すると62に戻る。72歩のときしか駒が剥がせないので、駒を1枚剥がすのに2周必要となる。2分の1手龍追いとか微分龍追いとか呼ばれている構造。












1周ごとに48歩と49歩の位置が切り替わる。49歩のときだけ桂が手に入るので、1枚の桂を手に入れるのに2周かかる。初の2分の1手龍追いとされる作品。






































まだ続きます。
第2回 詰将棋サイコロトーク 最短距離で駆け抜けるよ編
前回の続きです。
2022年6月 相馬慎一
85飛成に55歩と普通に受けると45馬左、24玉、62桂成と進み、15玉は16馬、同玉に96龍引があるので受方は歩中合で94龍の位置をずらしたい。44と55は二歩で打てず、85龍との交点に84歩と打つしかないが、これにはどちらの龍でも取らずに74龍!と入るのが好手で、以下、15玉、16馬、同玉、76龍、56歩、同龍、同と、27金、15玉、16歩から詰む。74龍と入ったところで84龍左や84龍行と歩を取ってしまうと4段目に龍の利きが残って最後の16歩が打歩詰で打てなくなる。戻って受方の最善は85飛成に75歩!と龍に近づけて中合する手。こうしておくと45馬左から先と同様に74龍まで進んだときに75歩が邪魔で76龍と引けなくなっている。同じ論理で75同龍にも65歩が最善で、65同龍、55歩と3連続の歩合を経て収束する。
2021年7月 相馬慎一
馬をダブらせるための連続合。








2022年11月 岸本裕真 幻日環
7種合x3





1981年12月 深井一伸 七対子
7種合x2







2022年9月 井上徹也・馬屋原剛
龍追いで発生した歩合を遠くから馬鋸で取りに行く趣向作。












2022年2月 石本仰
14歩の打歩詰を巡り、角打香合、香打角合で盤面が少しずつ変化していくなかに13歩邪魔駒消去や29香最遠打といったキーが仕込まれた知恵の輪作品。







2022年3月 岸本裕真 天動説
55の攻方王が2回動く双玉煙。






2015年8月 井上徹也
23歩成、14玉、13と、同香、47馬、36歩、同馬、23玉、32飛成、24玉、35龍、23玉に24歩と打つと収束ルートだが、打たずに45馬から玉を追い回して26歩合を発生させ、再び局面を戻して24歩と打つ。


1998年6月 駒場和男 秘宝
序盤に96龍、98歩合の2手を入れ、その歩をあとで馬鋸で取りにいく。
1985年2月 近藤真一 完全犯罪
序盤に99龍、98歩合の2手を入れ、その歩をあとで馬鋸で取りにいく。煙詰。




































まだ続きます。
第2回 詰将棋サイコロトーク 岩村凛太朗は細マッチョ編
2022年7月 相馬慎一
2022年5月 馬方四季














2019年11月 太刀岡甫「ボンバーマン」
89龍、83香、65角、56香打、47桂、89香成、59龍、同香成、55桂。



2022年1月 鈴川優希
8筋9筋で小さく角の開き王手を繰り返し、最後に59角とダイナミックに引いて詰み。

2022年4月 齋藤光寿
27桂、24玉で15桂と飛車が取れるところ35金、同飛と逃してから15桂と跳ねる。同じことをもう一度やる。









2022年4月 岩村凛太朗
初手87王に88桂成、同角、77桂成、同角、66桂と受方が3枚の桂を跳ねる。作意後半で攻方も同じように3枚の桂を跳ねる。






2022年9月 岩村凛太朗 攻野に並ぶ七人
33歩成、同成桂が21の角による逆王手で、そこで43歩と打つ手は攻方の合駒とみなせる。以下、歩から飛まですべての駒を順番に攻方が合駒で打つ。攻方七種合。










2022年7月 山葉桂


長くなったので続きは別の記事にします。
第1回 詰将棋サイコロトーク 山梨富士山編
サイコロを投げて出た目に書かれている詰将棋用語について喋るという、合コンで大盛りあがり間違いなしの企画を思いついたので、いのてつさんとくぼさんを呼んでトライアル開催してみた。カピバラアイコンがいのてつさんで、ネズミアイコンがくぼさん。詰将棋用語は「誰も言わなかった詰将棋用語集」の見出し語を使った。








受方の飛車が63→73→63と往復している間、攻方の飛車は24→14→34→24と動く。73飛・24飛のときだけ収束に入れるが、飛車の動く周期がずれてるので2x3の6回同じ手順を繰り返さなければならない。






柏川悦夫 駒と人生 第18番
86桂、95玉、74桂、94玉~82桂成、74桂合、86桂を4回繰り返して桂を品切れにする作品。



2005年11月 田島秀男
攻方の持駒桂4枚を香4枚に持駒変換して馬鋸を1つ動かしたら、今度は香4枚を桂4枚に持駒変換して馬鋸を1つ動かす作品。馬鋸は合計4回動くので、4枚の持駒変換も4回行われる。収束余詰。







誰も言わなかった詰将棋用語集 P16モデルメイトの説明図











2010年12月 広瀬稔
初手99角に33歩は同角成、同桂、同角成から馬鋸に入り、87歩を取って戻って詰み。43・54・65・76の歩は道中取られるだけの駒なので、2手目から77歩、同角、66歩、同角、55歩、同角、44歩、同角と取らせておく方が手数が長い。






















2021年12月 馬屋原剛
初手から46馬、54玉、53銀成は同飛左と43の方で取られて不詰。かといって初手66馬は53銀成に同飛右で詰まない。そこで馬の態度は保留して初手56歩とする。以下54玉、53銀成と先に受方に態度を決めてもらうのが後出しじゃんけんとも言われる酒井手筋。

2014年9月 久保紀貴
23銀、同玉、14角、13玉、32角成は15角生で打歩詰、32角生は15角成で詰まない。14角を打つ前に26飛と捨てて受方の成生を先に決めさせる。26同角成には14角、13玉、32角成で、26同角生には14角、13玉、32角生で詰む。


2023年2月 森長宏明
54金、同歩に44銀成は13角、66飛、同銀成で逃れ。44銀生は13角、66飛、同銀生で逃れ。44銀の開き王手より先に66飛として受方銀の成生を決めさせておく。




2023年2月 森長宏明
初手84飛は73玉、82飛成、64玉、69龍、67桂合、62龍、63歩合で逃れる。初手から79龍、76桂合としておけば69龍、68歩合で次の62龍に63歩合が二歩禁になる。



1992年12月 森長宏明
初手53金は41玉、49飛、47桂合で逃れ。最初に59飛、56桂合の交換を入れておくと49飛に48桂合ができない。作意は48桂成、同飛と桂を捨てて47桂合を実現するが、1枚多く桂が手に入るので詰む。
















1978年11月 上田吉一







2022年12月 中丸哲
普通に進めると49飛に47桂合で逃れるので、あらかじめ68角、同龍の2手を入れて48歩合を引き出したいが、初形のままでは77香が邪魔で角を引けないので序盤に色々やって香を動かしておく。































名誉の味がする
1989年11月 行き詰まり「無への疾走」
「下段の香に力あり」の格言に従えば、初手は89香の一手だ。75玉と逃げる手に84銀と打ち捨て、これを同銀なら87銀まで詰むが、取らずに74玉とかわされると67銀には64玉、87銀には84玉で詰まない。
もう結論はバレてそうな気もするが気にせず続けると、次に考えたい初手は87香の短打だ。これなら75玉、84銀、74玉には89銀と香筋を遮らずに王手できるので詰む。ところが今度は84銀を平凡に同銀と取られて詰まない。
84銀に74玉は89銀まで、同銀は87銀までで詰ませたい。どうすればよいか。ここまで来たら簡単な話で、初手88香が正解である。
この構造、どこかで見た気がするだろう。お手元の誰も言わなかった詰将棋用語集の49ページを開いていただきたい。名誉手筋によく似ている。
「誰言わ」の定義には「利きを通すか閉じるか選択する」とあり、行き詰まり作の87銀は香筋を閉じるための手ではないので名誉手筋にはあたらないことになる。名誉手筋ではないが、30年も前に名誉手筋のような態度保留の一手を5手詰で実現したことを称えて、行き詰まり作には名誉名誉手筋の称号を贈りたい。