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書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

7手短コン傾向と対策

先日の詰工房で今年の短コンの話になり、7手で上位を狙うなら中合を動かせばいいと有力若手作家2人が言っていた。ちょろいもんだと言っていた。

いや、さすがにちょろいもんだとは言ってなかったが、7手で中合を動かす場合は自由に使える手が3手目しかないので、そこを捨て駒にするとなお良いとのことだった。

本当にそうなのか確認してみよう。前回の7手コンは2012年。まずは首位作から。

2012年12月 武島宏明氏作 短コン1位

64桂、55飛、43角成、同玉、52飛成、同飛、33金、
まで7手詰

たしかに中合が動いている。 中合を出すときの初手を開き王手にすると紛れが減りやすいので創作法としてはやや安直に感じるが、その跳ねた桂馬が龍捨ての支えになっているのは上手い。

高価な中合を動かし、3手目は捨て駒、確かに上位作の条件を兼ね備えている。


10月3日追記。コメントで作者から改作図を教えていただいた。

59香、58飛、46馬、同玉、55龍、同飛成、36金、
まで7手詰

開き王手はなくなり、初手が取られるところへの限定打になった。 3手目の捨て駒も龍の利きを開く意味付けから解放され純粋さを増した。 原図でも首位なのに、更なる高みがあったとは。感服するほかない。


2012年12月 馬屋原剛氏作 短コン2位

24飛、25桂、47龍、18玉、17龍、同桂不成、28馬、
まで7手詰

あえて成れないところから打つ初手が冴えている。 3手目は残念ながら捨て駒ではないが、6手目が不成限定なところに工夫がある。 言われてみれば3手目以外にも工夫の余地は残されているのだ。

2012年12月 宮原航氏作 短コン3位

33馬、44桂、67香、56玉、36龍、同桂、66香、
まで7手詰

のちに看寿賞をとる宮原さん。 2手目44桂合は36龍引きへの対策だが、55銀合とされても龍が引けない。銀合は取ればいいだけとはいえ、65玉含めちょっとした変化になっている。

本作も3手目はただの香打だが、その香が1路だけ動く最終手が抜群のセンス。 ベスト3ともなると、中合駒をただ動かすだけでは終わらないようだ。

2012年12月 原田清実氏作 短コン4位

66飛、46銀、17角、25玉、35金、同銀、16角、
まで7手詰

初手の手の広さはよいが、品切れによる変化処理はいかがなものか。 3手目は利きの無いところに打つ捨て駒。作意では取られないのでいくらか味は落ちるか。

2012年12月 岩田俊二氏作 短コン5位

28龍、26玉、45角、35玉、15飛、46玉、48龍、
まで7手詰

5位でようやく中合を動かす以外の作品が現れた。 本作、中合が出てこないどころか、捨て駒も出てこない。 中合を動かさずに上位を狙うなら、これくらい突き抜ける覚悟が必要なのかもしれない。

6位以下は中合を動かさない作品が続く。ベスト4以外で中合を動かした作品を見ていこう。

2012年12月 大月淳氏作

68角、46龍、34角成、53玉、86角、同龍、43馬、
まで7手詰

中合といっても移動中合。 意味付けはあとで取られないためのものだが、であればスイッチバックでまとめるのはそつがないところ。 13位でシード権獲得。

2012年12月 中筋俊裕氏作

54飛、44香、25銀、35玉、46馬、同香、34飛、
まで7手詰

本作惜しくも18位。詰め上がりでむなしく残る31銀が嫌われたか。ベタ打ちの3手目も気になるところ。 シード権獲得の15位には0.03点及ばなかったものの、全50作中18位は十分上位と言ってもよいだろう。

実は2012年の短コン掲載作で中合を動かしたのは以上の6作のみである。平均6.8位。侮りがたし、中合動かし上位の法則。