今日は2023年に詰パラに初入選した人の中から勝手に新人賞を選びましょう。
2023年1月 仲村勇之助
これ実際解くと結構難しいんですよ。この方は芹田さん系の作家ですね。
密度上げていくタイプの。
2023年2月 澤野友太
意外に面白いなと思いました。意外にっていうとあれだけど、意外に見たことない手順です。35香の設置から入ってるのはなかなかポイント高い。
設置してから遮る不成。なかなかの感覚。
34歩の開き王手から入ってるのもいいですよね。対比になるんで。
詰将棋の呼吸を会得してる感じですね。収束もさっぱりしてて好きです。
私も好きです。53に桂置いたのはセンスありますね。でもやっぱり序の4手が大きいな。
2023年2月 吉田響太
鈴川くんに以前こんな感じのあったなと思って探したら思ったより違う作品でした。
33角限定打で入ってるのは偉いですね。34角成も捨て駒になってますし、43馬が帰ってきて。いい作品です。
石黒さん好み。
私も好きですけどね。こういうの作ろうと思ってもなかなか作れないですから。
2023年2月 中尾悟志
中尾さんは私のイチオシです。まとめ方がうまいんですよ。普通この枠内ではまとまりませんよ。
柏川作を思い出しました。
2023年12月 中尾悟志
検索したら、この方、1979年の将棋世界に入選してますね。新人ではないのか。
復活を喜びましょう。
2023年4月 井上凱生
実戦であったんでしょうね。普通にいいなとは思いました。詰将棋としてはさておき、実戦の手順としては。
初手が鋭いですね。
この形でお尻から手をつけたくはないですよね。95金が捌けるのも偉い。有望ですね。
あえて改善点を述べるなら?
こういう作品は改善難しいですけど、詰将棋として見るなら67金、78金が出番待ち感ありますね。
欲を言えば67金は打ちたい。
2023年4月 生川康太朗
解くといいなと思う作品でした。順番を限定させる仕組みがなかなかうまいです。
この手順やろうと思ってもなかなかできないですね。
2023年4月 積楢裕太
誰かのペンネームですか?
この苗字、「つみます」じゃないんですよ。つみなら。
この将棋ひろたで!もろたで!みたいな?
苗字に「つみ」があるとペンネームを疑ってしまう。
2023年4月 弘中祐希
弘中さんってよく見るなあ。
弘中さんは初入選組で2023年一番活躍されていた方といっても過言ではないです。半期賞取られてますし。不成に凝ってるみたいです。この作品もまとめ方がうまいんですよ。
33角不成は逆算で出したんですかね。
正算で作ってこうはならんよね。
受賞コメントを見ると先に後半19手があって、飛車不成を増やそうと思って角不成も入っちゃったみたいです。
増やし方がセンスありますね。追っかけて増やすんじゃなくて同じ箱の中で増やすのは話が変わってきますから。
2023年9月 弘中祐希
この作品めちゃくちゃ好きです。決定版。
初形見たときはつまらないのかなと思ったんです。ここから4段跳するとは思わないから。
35は普通に金にしてほしかったな。
なんで?
こんなところにと金いないでしょ。
そういうタイプでしたか。
これはと金でしょう。
21桂25桂も実戦的なのに、35とだけ異質。
自分ならと金かなあ。金でもいいですけど、この金は詰め上がりに残りますからね。
金なら指し将棋派の人も納得じゃないですか。
と金派の人は金でも気にしないけど、金派の人はと金だと気にするんですよね。そこに非対称性があって。
と金派の人も金にしようとするとそんな重たい駒はやめてくれって言わない?
他人の作品には言わないですよ。金派の人は他人の作品にも言うんですよ。特に自陣成駒。どっちがいいとかではなく、そこに非対称性があるから、作者のこだわりが無いなら金にしておいた方が一般受けはしますね。
こだわりがあるんでしょうね。こうしたってことは。
若島さんの作品見て育った人はと金にしやすいんじゃないですか。私もその類ですけど。
手順を並べてみると確かに金でもいいですね。2回動くし。
作者の選択を尊重しましょう。
それはもちろんそうなんだけど、もし詰工房とかで作者に会ったら言っちゃうな。作品集出すときは金にしてくれって。芹田さんと一緒に言っちゃうな。
芹田さんも結構と金使ってますよ。そもそも大崎さん詰工房来ないじゃないですか。
弘中さんは福岡の人なんで詰工房では会えないですね。
2023年10月 弘中祐希
25桂は打診ですけど、私が好きなのは初手。初手を入れておかないと25桂を同飛不成と取られて、31角成の場合は24桂に同飛、31角不成の場合は同銀とされます。作意では13に利かすかどうか攻方が打診していたのに、この紛れでは受方が保留できちゃうんです。この16馬面白いでしょ。
面白い。
でもなあ。45は金でいいよなあ。
使用駒種を減らしたいんですよ。
2023年7月 渡辺麻莉子
これは?
これは初手94飛と打つ紛れがあって、それだと攻方王がいいところに行けないからということなんです。
個人的には93馬がちょっと面白いかなと思いました。83飛といきなり打てるけどそれだと91玉で詰まないから。
93歩を発生させるための捨て駒ってことか。
2023年9月 車谷瞭文
やってること結構すごくないですか?まず51飛から21飛成がえぐくて、以下きれいに詰むだけなんですけど、きれいに詰むだけで100点。
2023年10月 一梨透
これはかわいい。新人かくあるべし。いいところとしては意表を突きますよね。13金とか打ってみたくなる形で。あとは角がスイッチバックしてます。
スイッチバック気付きませんでした。
よきものが作れたので見てほしい#おかえり詰将棋 pic.twitter.com/EK0zGp79iu
— 一梨透 (@ichilitre_V) 2023年4月22日
こっちの方がいいですね。
2023年10月 仲原輝
これ結構好きなんです。
いいですよね。今までなかったのが不思議なくらいだけど。初手といい3手目といい古典プラスアルファ感ありますね。
将棋世界でも表紙でもいいな。
発表は新人コンクールでした。表紙で良かった感はあります。
もったいないなあ。
表紙には良すぎるけど、指し将棋派にも受けそうだから表紙でもいいですね。
最近の表紙難しいからこれくらいがいいよね。
将棋サロンに出して何かの賞をもらってもよかったです。
2023年11月 拾井令
これもと金にしてるなあ。
たしかに、これは金でいいですね。きっと馬屋原理論ですよ。
どんな理論ですか?
自陣成駒であってもと金の方が軽いという。
使用駒種も減るし?
金にしても一緒ですよ。
と金と歩は別で数えるのか。
この作品の何がいいって47歩と捨ててるのがいいんですよ。序もいいけど、そのあとが名作たらしめてます。
32飛置いたら最後角捨てられるっていう感覚は何者なんでしょう。
この作り方はベテラン感ありますね。武島くんとかがやってるような作り方。
結構前から詰将棋メーカーで活躍されてたみたいです。
この作者も注目ですね。
全員見たので新人賞決めましょう。基準は特にないです。総合的に見て。
総合点なら澤野さんですかね。新人らしさと作品のレベルの高さ。弘中さんとか拾井さんとかは初入選だけどコメント見てると何年も前から作ってるみたいなので。
すんなり決まっても面白くないので対抗を出すと弘中さんの16馬、吉田さん、拾井さん、車谷さん。生川さんも新人らしさがあっていい作品ですし、仲原さんも覚えておきたい作品です。
詰将棋年鑑に載ってほしいです。
指し将棋派に出したいですもん。
これは指し将棋派でも15と金でいいな。初形他に金銀なくて、金派のぼくでもこれはと金にしそう。
17で成って引いてきたように見えるからですね。大崎さんの考え方が分かってきました。
使用駒理論なら金の方が種類少ないですね。
持駒は含めないんです。持駒に成駒は入らないですから。
この会やる前は拾井さんが新人賞だろうと思ってたんですけど、他の作品も見てみると決めるの難しいですね。
花の2023年組ですよ。2022年の初入選作家はどういう顔ぶれだったのかな。
パラ見てみましたが、2022年の初入選リストは柴田さんが入院していて載ってませんでした。
新人だと思ってた中尾さんが隠れベテランなのがちょっとびっくりでした。
それを知ってから作品見ると、テーマもすごいし、まとめもすごいし、全然新人の作品じゃないですね。
うますぎますよ。
北陸の人ってまとめ方うまいんですよ。
斎藤仁士さんとか。
鈴川くんも北陸でしたね。
新人賞は決められないですね。
全員受賞ですか。
大崎賞が拾井さんで、井上賞が澤野さんだとすると、久保賞は?
車谷さんにしようかな。それか仲村さん。仲原さんもいいけど、新人賞というよりは作品賞なんですよね。
なんでこんないい人たちが出てきたかというと、藤井聡太の影響?もしくは若島さん?
大穴で會場健大。
では2023年の新人賞は會場さんのTwitterアカウントということで。
将棋の本を作る仕事をしている會場といいます。
— 會場『将棋世界』編集 (@Aiba_sgbk) 2023年3月10日
将棋ファンの皆様が楽しそうにしているのを暗い編集部からうらやましく眺めていましたが、最近の盛り上がりを受けて自分も混ざってみたくなり、Twitterを始めてみました!
いろいろ教えていただけるとうれしいです。