看寿賞の井上さんの作品は、相馬さんの作品が下敷きになっているのでは、という話をTwitterで見たので調べた。今年から詰将棋を再開した身としては、どちらの作品も知らなかった。
http://t.co/xFxvEXcGQD 拙作4桂連合の変化図。16歩はこの変化のための配置。「支え駒+香」という括りだけでいえば、変化とはいえ井上作の前例。このことを踏まえた上での選考だったのだろうか?
— 相馬慎一 (@torus1968) 2015, 6月 29
2014年5月 大学 井上徹也氏作
33飛成、86歩、同馬、75歩、同馬、64歩、同馬、53歩、 同馬、42歩、32龍、同玉、54馬、43香、33桂成、同玉、 43銀成、同歩、34香、42玉、53銀、41玉、42歩、同銀、 同銀成、同玉、53銀、51玉、62歩成、同金、同銀成、同玉、 63金、61玉、62歩、51玉、52歩、41玉、42歩、同玉、 53馬、41玉、31香成、 まで43手詰
2手目86歩合。
なぜ接して合駒を打つかというと、ここから32龍、同玉、98馬、87香、33銀、23玉
89馬となったときに、この馬をとれるからだ。
つまり2手目64歩合とすると
同様に進んだときに89馬が取れず
67には歩合(二歩)も香合(品切れ)もできないので、詰んでしまう。
それを踏まえてさらに1年前の相馬さんの作品。
2013年7月 相馬慎一氏作
32歩、21玉、33桂不成、同銀、31歩成、同玉、97馬、86桂、 同馬、75桂、同馬、64桂、同馬、53桂、41香成、21玉、 12銀成、同玉、23角、22玉、34桂、13玉、46馬、35歩、 25桂、23玉、33桂成、同玉、24銀、34玉、23銀不成、33玉、 34歩、同成銀、同銀成、同玉、43銀打、33玉、55馬、44金、 45桂、同桂、44馬、同玉、54金、33玉、42銀不成、34玉、 43銀不成、 まで49手詰
8手目86桂合。
これを75桂合とするとどうなるか。
41香成、21玉、98馬として
87歩合は12銀、同玉、89馬、45歩、23角、22玉、45角成でオーロラ詰み。*1
では、オーロラと同じように87に香合すればいいかと思いきや
これは取って詰む。
8手目75桂合を86歩合とした場合も同じ手順で詰む(86歩を取っても詰むけど)それが最初のツイートの図だ。
で、これが井上さんの作品の連続合の仕組みと似てるよね、というわけ。
長くなったので次回に続く。