今月のパラで自分と流さんの合作が言及されていた。
流崎。作品が引用されてる…
— 寒江一知 (@goburing) 2020年9月2日
2020年6月 野曽原直之 「夕星」
46桂、55金、同飛、56金、同飛、57金、同飛、58金、 48銀、69玉、78馬、同玉、87馬、同玉、88と、76玉、 87と、75玉、86と、74玉、85と、63玉、75桂、52玉、 41桂成、57金、51銀成、43玉、44金、同玉、45金、同玉、 54銀、55玉、56歩、同玉、57銀、同玉、48金、56玉、 57歩、55玉、45金、 まで43手で詰
初手46桂に55金と近接合が出る。これはぐるっと玉を追いかけ回して52玉、41桂成に54金と飛車を取るための手だ。
結果稿によれば次の作品が発想の起点になったそうだ。
2003年9月 流崎。
67龍、66桂、同龍、65桂、同龍、64桂、同龍、63桂、 51歩成、同玉、62と、同玉、74桂、52玉、54龍、53金、 64桂、61玉、72桂成、同玉、82桂成、61玉、62銀、同玉、 51銀、61玉、73桂、52玉、41馬、同玉、42歩、32玉、 41銀、23玉、13と、24玉、14と、25玉、15と、26玉、 16と、27玉、18銀、38玉、29金、49玉、59金、 まで47手詰
初手67龍に66桂と近接合が出る。これはぐるっと追って59玉に58龍を防いだ手だ。
たしかに似ているし、発想の起点になったのは先行作の作者としても嬉しい話だが、多くの人が夕星を見て思い出す作品は自作ではなく魁の方かもしれない。
1986年 添川公司「魁」
21角成、同成香、19龍、18歩、同龍、17歩、同龍、16歩、 同龍、15歩、同龍、14歩、同龍、13歩、同龍、12歩、 21銀成、同玉、31と、同玉、34香、33歩、32と、同玉、 33と、41玉、42と、同玉、22龍、53玉、54歩、64玉、 62龍、63金、65歩、同桂、63龍、同玉、64歩、同玉、 55金打、63玉、64歩、52玉、53歩成、同玉、54金、42玉、 43香、51玉、52歩、61玉、72香成、同成銀、同と、同玉、 63歩成、81玉、82歩、同玉、93銀、83玉、92銀不成、82玉、 74桂、同と、83歩、71玉、72歩、61玉、51歩成、同玉、 42香成、同玉、53金、51玉、52金、 まで77手詰
19龍に18歩合と近接合が出る。これはぐるっと追ったときに19歩成と龍を取るための手。
夕星と魁に共通しているのは、王手駒が動かないということだ。自作は58龍と移動する先のマスを殺しているのに対して、夕星と魁は王手駒がいる位置に利かせている。魁は7連続合なので下に回り込むスペースが無く、すべての段で横から王手する作りになっているので、構図の制約が凄まじいことになっているが、動かない王手駒の位置に利かせるという点は夕星と同じである。
流崎型でやるなら54飛に55銀合として
ぐるっと回って62玉に64飛となるだろうか。
魁型と流崎型と、どちらが優れているというわけでもないが、いずれにせよ歩合や桂合よりも金合を取っていく方が余詰みやすいと思われるので、夕星、よくぞ作ったものである。