書きかけのブログ

詰将棋について書くことがあれば書きます

ここにいても、よいりゆう

2015年4月 大学 鈴川優希氏作

29香、28角、同香、27飛、同香、同玉、26飛、同玉、
29香、28角、同香、27飛、71角、44香、同角不成、同歩、
27香、同玉、26飛、同玉、29香、28角、同香、27銀、
35角、同桂、16と、36玉、37歩、同玉、73角、36玉、
46角成、
まで33手詰

初形の61金は無くても作意が成立し完全作。 しかし置いたことで13手目71角が捨て駒になっている(取る変化が生まれている)というのが作者の主張だ。

自分ならこの金は置かない。無くても成立するなら不要駒だと思うし(変化が増えるから不要駒ではないという意見もあるだろうけど)無いと初形が貧乏で美しくなる。

たま研の二次会で鈴川さんと久保さんと話したが、久保さんもやはりこの61金は置かない派だった。 しかし自分なら次の作品の65歩も置かない。

2015年2月 小学校 久保紀貴氏・宮原航氏作

12角成、66歩、13馬、
まで3手詰

この作品の場合、作意が2手目66歩なので、65歩を省くともちろん作意は成立しない。 しかし79玉、23角(成生非限定)までや、67合(合駒非限定)、13馬までを作意にすれば完全作である。

狙いが12角成なのだから、2手目3手目はなんでもよいだろうと個人的には思うのだが、作者にとってはそうではないらしく、65歩を置くことで非限定のある手順を変化に、2手目66歩を作意と主張しているわけだ。

65歩を置いたって、79玉や67合の解答が不正解になるわけではないので無駄な抵抗ではないか。

――昨日まではそう思っていた。

今日なにげなく詰パラ8月号を見ていたのだけど、次図。

2015年5月 保育園 八嶋啓考氏作

12角、24玉、45龍、33歩、34角成、
まで5手詰

4手目の合駒が非限定。この作品を見ていて「11に飛車を置けばいいのに」とつい思ってしまったのだ。

12角、24玉、45龍、51飛、34角成、
まで5手詰

この11飛はもちろん不要駒で、作意主張にしか役立っていない。 強いて言えば2手目飛車で取る変化が増えたが、それも鈴川作と同じ話。 61金や65歩と何が違うのかと言われると黙りこむしかないのであった。

2015年5月 ヤン詰課題「移動合」 青木裕一氏作

22桂成、同香、23桂成、同香、24桂、同香、25桂、21玉、
22歩、同玉、23と、同玉、13香成、
まで13手詰

ちなみにこの図の27王についても、鈴川さんは置いてよいという意見。 作者の青木さんは、無くても作意成立と知っていれば、王が必要な形に作り変えていたとのこと。 久保さんは、なんて言ってたっけな、忘れてしまった。