三輪さんが挙げているのは短13と短15。
2015年3月 短13 山路大輔氏作
13桂、31玉、23桂、32玉、44桂、22玉、14桂、12玉、 11桂成、同玉、21桂成、同玉、32桂成、同玉、22桂成、同玉、 44馬、31玉、22馬、同玉、23銀成、11玉、22成銀、 まで23手詰
詰工房で評判のよかった作品。柿木が間違えることでも有名。 四桂連打連捨から収束に馬捨まで入り、出色の出来だが評点は2.61と芳しくない。 名無し名人賞受賞作。
半期賞とは関係ないが、最近読んだ波崎黒生氏の作品集「一番星」第36番も似たテーマで、これもよい作品だった。
1997年8月 波崎黒生氏作(修正図)
2015年3月 短15 若島正氏作
56歩、同龍、64銀、44玉、43と、45玉、34銀、54玉、 53と、44玉、66角、同龍、43と、54玉、59龍、56桂、 53と、44玉、49龍、48桂成、同龍、46桂、43と、54玉、 57龍、同龍、87角、同龍、66桂、 まで29手詰
玉方龍の利きを遮るための59龍と、龍の利きを開くための48桂成捨て。 それだけと言ってしまえば、それだけ。 構想作とも趣向作とも言えない、ふんわり力の抜けた作品だが評点2.82は上半期最高。
もちろん半期賞に本作を選ぶのは順当なところだが、当たり前すぎるのであえて選ばなかったのである。次点は短10鈴川作の2.81。
私の予想は短6。
2015年2月 短6 芹田修氏作
33と、同桂、24馬左、12玉、34馬、23銀、24桂、13玉、 14銀、同銀、12桂成、同香、24馬上、22玉、33馬右、31玉、 32歩、21玉、13桂、同香、12馬、同玉、24桂、21玉、 31歩成、同玉、32桂成、 まで27手詰
こういう美しい実戦型から高い限定合が入って清涼詰になる作品、指し将棋派の人にも見せやすいので1作くらい持っておきたいのだけど、まったく作り方がわからない。詰工房ではこの収束の前例が意外と見つからないという話にもなっていた。
46馬は35に置けば初形が3x5にコンパクトに収まるが、これを46に置いたのは34歩35馬の当たりを避けた作者の美意識だろうか。評点2.73。