安達康二作、長谷川哲久作、それから発展形としての上間優作とか、あのタイプの飛限定打の作例は攻方角が初形で設置済のものばかりだったので、そこに対する問題意識で作りましたねぇ。
— Sinatra (@Sinatra57496354) 2024年9月12日
1968年9月 安達康二
64飛、同香、23桂成、15玉、75飛、同角、51角成、まで7手。
初手が軽い伏線。香をつり上げてから75飛と打つと同角なら受方角の右上への利きが、25合なら右下への利きが止まるので、攻方角が必ずどちらかに活用できる。元ネタは図巧8番だろうか。
1975年11月 長谷川哲久
15飛、同香、17香、同銀不成、56飛、同角、43角成、まで7手
結果稿を見ると短評に「よくある」と書かれている。盤面9枚のまとまりの良さや銀不成の味はあるが、安達作からの構想的な発展は特にない。
1979年12月 上間優
76飛、同と、28桂、15玉、75飛、同馬、26金、同玉、 59角、25玉、35と、まで11手。
飛車の限定打を2枚にした作品。図巧8番が2枚の遠角だったことを考えれば、飛車も2枚でやっておきたいものだ。76飛はと金をどけて59角を用意する手。その結果、75飛が再びと金にぶつける手になるのが良い。
2015年5月 三島桂太
74龍引、同と、64龍、54香、35と寄、15玉、59馬、同香成、 14龍、同玉、25と上、まで11手。
飛車を2枚捨てるのは上間作と同様。限定打がただの移動手になっているのは一見劣化しているようだが、取れると金を取らないという別の面白さが付加されている。収束も中合動かしから馬も龍も捨てて現代的な仕上がり。
2016年11月 鈴川優希 「ヒュームの因果」
24銀不成、同玉、64飛、同と、34銀成、15玉、75飛、同と、 59馬、まで9手
安達作の64飛を限定打で実現した作品。初形で75飛が打てるけど打たないところが良い。結果稿では短評で中合の変同を指摘され、作者も「59馬、同香成に14飛とか捨てたい」と返しているが、振り返ってみればそれが三島作の収束だ。
2024年5月 藤原俊雅
74角、25玉、35龍、14玉、54飛、同と、47角、まで7手。
これが冒頭のツイートの作品。安達作の95角も、長谷川作の76角も、上間作の95角も、三島作の95馬も、初めから両睨みの好位置に置いてあるので、これを設置するところからやってみようということだ。なるほどそういう発展のしかたもあるのかと思わされる。