図巧を並べたのは詰将棋を始めた初期の初期で、当時はわけもわからず見ていた。いま改めて鑑賞してみようと思った。
第三番から始めたのは一番と二番が有名すぎるからだ。第三番は現代的に言えば広義の打診、不成強制といったところか。
77銀、95玉、96金、94玉
ここで95歩は打歩詰。かといって85金では同飛成で龍が強く全く詰まない。そこで86桂と打つ。
これを同飛成では打歩詰が打開されて95歩で早い。やむなく同飛生と取るが、それから85金とすれば龍ではなく生飛を残すことに成功し、以下収束である。
同飛不成、85金、同飛、 95歩、同玉、96歩、94玉、86桂、同飛、95歩、同玉、 86銀、同玉、83飛、76玉、85飛成、66玉、55龍、同玉、 56馬、64玉、65馬、73玉、83角成、63玉、74馬上、54玉、 65馬、63玉、74馬引、72玉、73歩、61玉、43馬、同歩、 51と、同玉、41馬、同玉、42金迄45手。
収束は現代の感覚すれば冗長。しかし途中55龍や
54歩の原形消去から43馬、41馬と切れ味鋭く仕上げてある。
打歩詰局面から桂捨て、同飛生というのは、いまやよく見る筋だが、短手数でまとめないところがさすが献上図式といったところだろうか。