将棋連盟のサイトには二歩についてこう書かれている。
同じ筋に歩がある時に、もう一枚歩を打つことはできません。 下の図の左側のように同じ筋に歩が二枚ある状態を「二歩(にふ)」といいます。
同じ筋に歩が二枚ある状態を二歩と呼ぶのは異論の無いところだが、反則の内容については「歩を打つことはできません」と書いてあるのみで、駒を打たずに二歩に至った場合については言及されていない。
指将棋で二歩が発生するとしたら、打ったときしかないのでそれで問題ないのかもしれない。 しかし詰将棋では歩を打ってないのに二歩という局面がありえる。
2012年3月 中13 中出慶一氏作
初形二歩である。結果稿では「不正図」を理由に入選取り消しにされてしまっていた。
不正とはなんだろう。 将棋には必ず攻方王がいるので、単玉の作品ももしかしたら不正図なのかもしれない。 双玉の場合も不可能局面のことまで考えだすと闇は深い。
初形打歩詰はどうだろう
当然先手番である。14の歩は突いた歩ではないので、打歩詰局面だが、初形なので反則はとられないものとする(え?)
ここで例えば33歩成とすると、打った歩で詰んでいるので打歩詰の反則をとられる(え?)
そこで作意は16金と打歩詰を打開して14玉、25金右以下の9手詰である(え?)
しかし初形で反則をとられないとすると、後手玉が22あたりから13玉と突っ込んできた可能性もあるので、これを打歩詰局面と呼ぶのは難しそうだ。
閑話休題。
二歩を打ってはいけないというのがルールだ。 初形で二歩の場合も、さかのぼればどこかで歩を打ったはずなので、不正図。 まあ、理解できる。わざわざ初形二歩の作品を手がけようとも思わない。
ところでフェアリーの一部ルールなら歩を打たずに(移動させて)二歩を発生させることができるはずだが、それは禁手扱いされているのだろうか。